エアビーアンドビー(Airbnb)は14日、6月15日から施行される民泊新法(住宅宿泊事業法)及び全国の自治体が定める条例を順守し、同日以降は「違法民泊施設は掲載しない」と明言した。日本の法令を順守する姿勢を初めて公の場で表明した。
新法の施行に先立って住宅宿泊事業者の届け出、住宅宿泊管理業者と住宅宿泊仲介業者の登録が、明日3月15日から始まる。住宅宿泊事業者の届け出先は各都道府県、住宅宿泊管理業者の登録先は国土交通省、住宅宿泊仲介業者の登録先は観光庁となっている。
エアビーは、契約施設(住宅宿泊事業者)が使用する管理画面にあたる「ホスティングダッシュボード」に、民泊施設の「届出番号」または「ホスティングを行うための許認可等」を入力する項目を新たに設置。6月15日までにこれらが確認できない場合は、サイトに非掲載にする。
また、民泊施設の写真、概要などを利用者に向けて表示する「リスティングページ」に6月15日から、届出番号、旅館業の営業許可、その他許認可等を表示させる。
Airbnb Inc.グローバル政策担当最高責任者のクリストファー・レヘイン(Christopher Lehane)氏(=写真中央)が来日し、Airbnb Japan の田邉泰之社長(=写真左)、同・公共政策本部本部長の山本美香氏(=写真右)と都内で記者会見を開き、明らかにした。
現在、日本国内の物件は約6万2千軒登録されているが、「違法民泊施設の物件数は把握できていない」(田邉社長)という。違法民泊物件をサイト上で非表示にすることにより、6月15日以降、露出施設数の大幅な減少が予測されるが、田邉社長は、想定される掲載施設数について「現段階では予測ができない」と述べた。
6月15日以降の滞在予約が入ってしまっている違法民泊施設の取り扱いについて、山本部長は「具体的にどのような対応をとるかはまだ未定」とコメントした。
“ヤミ民泊”と呼ばれる違法民泊施設では、猟奇的な殺人事件が連続して発生するなど、社会不安が広がっていた。
これまで強気一辺倒だった同社だが、タイミング的にも真摯な対応を余儀なくされた格好だ。レヘイン氏は15日、住宅宿泊仲介業者の登録申請のため観光庁を訪れる。