10月末に日本旅館協会東京都支部長としてフランス・パリにて東京都産業労働局長を筆頭に、東京観光財団の職員、都内の観光関連事業者とともにパリオペラ座近くのパレ、ブロンニャール会場でシティーセールスプロモーションを行ってきた。例年1回の恒例行事となっているが、今年は「パリ東京文化タンデム2018」の企画と重なったため、今年1月末のロシアに続き10月末にもう一度パリで行うことになったようだ。
統計によると、地味ながらフランスからの訪日観光客は毎年増えてきている。実は行燈旅館は欧米系のお客さまが大半を占めているが、今年に入ってからフランス人のお客さまの割合が増えていると肌で感じていたところである。
東京を旅立ったJAL機内では「パリ東京文化タンデム」関連事業であるパリ市庁舎前広場で行われた「FUROSHIKI PARIS」の広告が背もたれのラックに置かれていたのを始まりに、地下鉄駅構内の「TOKYO」の広告や、マレ地区のユニクロ店内でも風呂敷が売っていたなど、パリには東京を感じさせてくれるものがたくさんあった。
しかし私が最後に行った数年前のパリの印象よりも今回6泊8日の短い期間だったが、私の中の「おしゃれな街パリ」が、パリ中心部の慢性的な渋滞、ホテル代や食事代が東京より高かったり、地下鉄の休日の工事の影響で途中区間バスの乗り継ぎが必要だった時のメトロ側の対応だったり、デパートではファッションも高級路線が多くて、街中でもリーズナブルなセンスの良い服が見つけられなかったなどのマイナスイメージで、買い物や食事、インフラ、安全面、観光全般について東京の方が値段もクオリティーも充実していて、スマートではないかと思ってしまった。行燈旅館のフランスのお客さまももしかしたら同じ気持ちで東京に来ているのかもしれないと、初めて思った。
肝心のセールスの方だが、正直期待していたより客足が少なかったのは残念だった。毎回、会員施設の情報を提供して宿泊していただくのが私たちの狙いだ。
しかし今回の一番の目的は誘客のポイントとなる商談会場の中でのセミナーにおいて、東京旅館ブランド構築・発信事業で作成した旅館のPRビデオを上映して、フランスのバイヤーの前でプレゼンテーションを行うことだった。その意味ではお客さまの反応も良く、おかげさまで一緒に同行した他の宿泊施設の方にお褒めの言葉をいただくことができた。
パリは観光客約8千万人が訪れる世界一の観光都市だ、東京はその約半分を目指しているが、今回の旅で感じたことで、より自信を持って東京をセールスしていけると確信した。