ラーメンは中国の流れを当然、くむ。横浜中華街、神戸南京町、長崎新地中華街の日本三大中華街で食された南京そばがラーメンへと進化した。
現在、ラーメンはカレーライスと並ぶ日本人の国民食ともいえ、また、外国人のファンも多い。
日本三大ラーメンといえば札幌、喜多方、博多ラーメンだろう。札幌ラーメンはラーメン=醤油味という概念を打ち破り、味噌ラーメンブームを巻き起こした。喜多方ラーメンは極太平打ち麺に豚骨をベースにした澄んだスープに煮干しをブレンドした醤油ラーメン。博多ラーメンは白濁したとんこつスープだ。これら以外にも、ご当地ラーメンなどが多彩に混在し、国内外にチェーン店が氾濫している。
近年、行列のできるラーメン店が話題となる。行列の状況を垣間見ると、人は人に感化される動物ゆえ、すぐに行列に並ばずとも、いつかは食べて見ようと記憶に留める。店頭におけるお客の行列は宣伝効果抜群だ。
バズ・マーケティングは店の噂が「ぶんぶんと蜂が飛ぶ音」のように口コミで広まる効果を狙い、行列などを仕掛ける技法である。人気店にするために行列の演出、例えば、さくらを使ったり、意図的に麺の茹でるスピードを遅らせたりする。
そのため、ありきたりの味ながらも、お客が行列する狭い店舗のラーメン店が多々ある。にわかラーメン通ならば、このトリックを見破り切れず、ファンとなる可能性も。
(梅花女子大学教授)