二つの世界遺産から60分
広島市の北西部に位置する広島市佐伯区湯来町は、原爆ドームがある平和記念公園からも、厳島神社がある宮島からも車で約60分の距離にある二つの世界遺産の中間にある町です。
湯来町は、広島の奥座敷として親しまれてきた「湯来温泉」と湯治信仰の場として古くから栄え、旧広島藩主浅野氏の湯治場でもあった(1974年に国重要有形民俗文化財に指定)「湯の山温泉」の二つの温泉があり、緑の山と清らかな水、澄んだ空気に象徴される恵まれた自然資源を有する人口約6千人の美しい農村です。
農産物は、生芋から作った「手づくりこんにゃく」が有名です。砂谷地区では自家牧草にこだわった高品質の牛乳を生産し、砂谷牛乳ブランドで販売されています。また、清流・水内川のアユは全国の「利き鮎(あゆ)会」で準グランプリを4度受賞したおいしさです。
2017年から体験型修学旅行の受け入れに向けスタートし、受け入れ家庭は現在50軒で80人の受け入れができます。また、隣接する安芸太田町、北広島町との共同受け入れでは400人の受け入れが可能です。湯来町の特性である豊かな自然、歴史、文化等の地域資源を生かし、いにしえからのありのままの農山村での暮らしの体験を通した生きる力を育てます。
また、町内在住の被爆者の方の話を少人数に分かれ、気軽に質問できるような非常に近い距離で聴いていただける「湯来町被爆体験講話」や国内では広島市が発祥といわれるバームクーヘンを当時の作り方で作る体験など、さまざまな体験プログラムも用意しています。
■SDGs取り組みプログラム
「主体的・対話的で深い学び」に加え、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標であるSDGsに取り組むためのプログラムも用意しています。
(1)名勝・石ヶ谷峡の魅力と課題探究
広島県名勝に指定されている石ヶ谷峡は、数多くの小滝や奇岩が数多く見られる美しい渓谷ですが、知名度があまり高くないため訪れる人も少なく、落葉や捨てられたごみがたまっているなど維持管理が行き届いていないところもあります。
プログラムでは、トレッキングを通じて石ヶ谷峡の魅力や課題を実感、発見します。効果的な発信や景観維持、石ヶ谷峡に人が集まる方法を考察、探究することで自然の大切さを学びます。また、住み続けられるまちづくりに向けたスキルを養うことを目的に、陸の豊かさの保全や気候変動への具体的な対策を考えるなど、自分の身近な地域の魅力や問題点を考えるきっかけを作ります。
(2)水内川シャワークライミング
清流・水内川で、自然と人との関わりを学びます。水温、水の匂い、岩の色、川を泳ぐ魚など、インストラクターと共に川の自然を体感し、安全な水のありがたさと、守る大切さを学びます。
清流・水内川の上流でゴツゴツの岩場を歩くほか、高さ3メートルある滝つぼへのダイブ、ロープを使い滝登り、ゴムチューブで滝滑りなど、助け合い協力しながら沢の中を目的地へ目指します。パートナーと共に目標を達成することの大切さが学べます。
水内川シャワークライミング