離島を考えることは、日本を考えること
長崎県五島列島での民泊体験は、高校生の皆さまの修学旅行先として、うってつけです。私どもは、離島、それも西果(さいは)ての地、五島だからこそ提供できる価値があると考えております。それは、民泊体験を通してなされる、深い感動と、深い学びです。
(1)離島だからこそ、考えるべき事柄に直面する
五島列島は観光開発が進んでおらず、手付かずの豊かな自然を生かした自然、農漁業、味覚体験が自慢です。物流に制約のある離島だからこそ、自給自足や地産地消を意識した食文化があり、民泊先の家族と調理を行うことで食糧自給問題を考える機会になります。
一方、人口流出は深刻で、五島市の人口は減少の一途をたどり、少子高齢化にも拍車が掛かっています。生徒の皆さまと同年代である地元の高校生の約9割が、高校卒業後に生まれ故郷の島を出ていく現状。その様子を目の当たりにすると、島、引いては日本の行く末を考えさせられます。ご自身の生き方や郷土への思いなどを考えるきっかけとなることでしょう。
(2)さらに国境離島であることが問題を深刻化させる
五島市は、国境離島として日本の領域・排他的経済水域の保全、海洋資源の利用、多様な文化の継承、自然環境の保全など重要な役割を担っています。しかし、人口減少でその役割を果たせなくなる恐れがあります。
例えば、海岸を少し歩けば、外国からの漂着ごみを容易に見つけ出すことができます。2060年には人口1万人にまで減少することが予測されています(※)。磯・ビーチ観察は、単なる海洋生物観察やビーチ遊びだけでなく、国境問題を強く実感するきっかけとなります。国境離島である五島に修学旅行という機会を生かしてお越しいただくことで、生徒の皆さまの人生においてめったにできない貴重な体験の場となります。
※国立社会保障・人口問題研究所による五島市将来人口推計(2018年時)
【参考・国勢調査】1955年9万1973人(ピーク時)、2015年3万7327人
(3)独自の文化・歴史を持つ五島で過ごす民泊体験
五島市の民泊は、一期一会をモットーに民泊家庭と生徒の皆さまとの交流を大切にしています。そのため、民泊先で宿泊していただくのみならず、民泊家庭とともに、その家庭独自のさまざまな体験を行う「ふれあい交流体験」を設定しています。民泊家庭との交流時間を長く確保し、より深い交流を持つことができます。修学旅行が終わり、皆さまが戻られた後、物理的な距離は遠くても、精神的には近くつながっている。五島市の民泊はこれを目指しております。
そんな民泊の舞台となるのは、2018年に世界遺産登録を果たした「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」や、倭寇や空海の伝説が残り、城郭や武家屋敷など歴史文化遺産も豊富な五島市です。
独自の文化・歴史を持つ五島で過ごす民泊体験が、生徒の皆さまの一生の思い出になることを私たちは願っております。
上記3点を持って、五島市は民泊体験を通して生徒の皆さまの「主体的・対話的で深い学び」を全力でサポート致します。ぜひお越しください。
受入れ民家の家族と触れ合う