【2023新春 ホテルグループトップインタビュー】森トラスト 代表取締役社長 伊達美和子氏


森トラスト 代表取締役社長 伊達美和子氏

世界に向けて日本を発信

観光先進国化、地方創生に貢献

 ――森トラストグループは多岐にわたるビジネスを展開されている。事業セグメントの中でのホテルビジネスのポートフォリオについて伺いたい。

 私たちは、不動産開発事業を手掛けており、比較的安定的な収益を上げる都心を中心としたオフィス事業をベースに、ボラティリティの高いホテルビジネスをそれに追随する形で成長させていくというのが戦略だ。そこに住宅事業も入ってくる。

 オフィスビジネスは安定事業ではあるが、急成長は見込めない。一方、ホテルビジネスでは、ポジティブな時はポジティブに、ネガティブな時は最悪のシナリオを回避することに集中し、収益をコントロールしている。不動産事業としてのリスク分散を、多角的なポートフォリオの構築で実現している。

 ホテル開発は、不動産開発事業の一環として行っている。そしてその経営を外部に委託するのではなく、自社グループの中で運営している。運営の中で得た情報を次の開発に生かすエコシステムができているのも、私たちの強みだ。

 ――オペレーションに関してはマリオットを中心にいくつかのブランドを使われているが。

 外資ブラントと組む最大のメリットは彼らの顧客数だ。マリオットを誘致して、2013年にホテルラフォーレ東京を東京マリオットホテルとしてリブランドオープンした時、マリオットの会員数は3800万人だった。今は1億6千万に増えた。

 ホテル事業を行っていく上で重要なのは生産性を上げていくことなのだが、資材、原材料の調達コストと同時に顧客を獲得するためのコストもかかってくる。マーケティングコストを抑えながらチャネルを増やして集客できる方法を考える必要がある。私たちの「ラフォーレ事業」は会員制なので集客コストは抑えられている。ただ、対象が国内であり範囲が限られているという課題があった。海外に向けたチャネルを持つインターナショナルブランドと組めば両方から集客することができる。そのハイブリッドチャネルを獲得するために外資系ブランドと組むという戦略を立てた。

 ――マリオットを選んだ理由は何か。

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