地方を主役に、観光先進国へ
インバウンドの回復が進んでいる。2023年10月の訪日客数は19年同月比0.8%増の252万人で、コロナ前の水準を初めて上回った。年間では2500万人前後が見込まれる。23年の訪日旅行消費額も、円安や物価上昇の影響はあるが、5兆円が視野に入り、過去最高だった19年の4.8兆円を上回りそうだ。
延べ宿泊者数で見ても、外国人は23年7月に19年同月の水準を回復した。9月には19年同月比18.9%増の982万人泊、10月には同15.0%増の1180万人泊と2カ月連続で2桁の伸び率を記録。日本人を含む延べ宿泊者数全体に占める外国人の割合は23年9月で19.5%に達している。
インバウンド復活における最大の課題は、地方誘客の拡大だ。例えば、23年9月の外国人延べ宿泊者数を地域別に見ると、東京、大阪、京都の3都府で全体の67.2%を占めるなど、大都市部などへの集中が際立っている。こうした訪問先の集中は、一部の地域にオーバーツーリズムの問題を引き起こしている。
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