「世界最古の宿」に認定
山梨県西山温泉の慶雲館は、創業が飛鳥時代の慶雲2年(西暦705年)。「世界最古の宿」として、ギネスブックに認定されている。藤原鎌足の長男、真人が開湯したという温泉は、千年を超す長い歳月の中でも一度も枯れず、武田信玄、徳川家康ら多くの都人、名将、文人らに愛されてきた。
1997年、近代純和風建築の4階建て建物にリニューアル。鉄筋造りながら、多種の木材をふんだんに使い、1300年を超す歴史と伝統にふさわしい落ち着いたたたずまいを見せる。
自然湧出の源泉を4本持つ。泉質は「ナトリウム・カルシウム―硫酸塩・塩化物泉」(低張性アルカリ性高温泉)。
2005年は開湯1300年のアニバーサリー事業として隣接地で温泉掘削したところ、泉温52度、毎分1600リットル以上(ドラム缶約8本)の自噴泉を掘り当てた。これらの湯は加温、加水のない源泉掛け流しで6種類の風呂と各部屋の風呂、シャワーなど、全館で使っている。
山河の味覚を凝縮した食にも定評がある。料理によって8種類の塩を使い分けるという徹底したこだわり。最高ランクの甲州牛を富士山2合目の溶岩石で焼く「甲州牛の溶岩焼き」はぜひとも賞味したい。
▽慶雲館は、山梨県南巨摩郡早川町西山温泉。TEL0556(48)2111。https://www.keiunkan.co.jp/
慶雲館の外観
野天風呂「望渓の湯」