異変検知するとメールで通知
国内のテレビ受信関連機器でトップシェアを誇る老舗電機機器メーカーのマスプロ電工(愛知県日進市)は今冬、「MASPRO IoT Cloud Service(LR)forHACCP」の提供を始める。これは、センサーが温度測定し、無線通信で集約する温度管理システムで、温度測定と記録を自動で行い、異変を検知するとメールで通知される。
無線通信には、省電力で長距離通信が実現できる特長をもつLPWAのLoRaWAN(ローラワン)規格を採用している。
特長の一つである長距離通信は、中継機が不要で「屋内環境で500メートル程度の大規模な旅館・ホテルでも安定した無線通信を実現する」とシステム企画グループの村手俊介氏。
利用施設はインターネット回線にルーターのような役割を担うゲートウェイ装置を設置する。センサー端末を冷蔵庫に設置することで、温度を自動測定する。磁石、もしくは吊るしで設置できるため、冷蔵庫のメーカー機種を問わない。電池で数年間駆動するため、配線工事は不要。機器のメンテナンスを軽減し、導入コストを抑制する。
センサーが測定した温度データは、インターネット回線を通じ、クラウド上の独自のデータ閲覧サービスに集約される。利用者はパソコンを使ってどこからでも確認可能。データは1年間保存される。センサー1台の小規模施設から、100台を超える大規模施設まで利用できる。
「手作業で記録していた記録を自動化によって業務軽減ができ、記録ミスの抑制や衛生意識の向上につなげることができる。少しでもHACCP対策に役立ててほしい」と村手氏。
ボックス型温度センサー