【JNTO(日本政府観光局)インバウンド最新リポート 113】ドイツ訪日旅行が好調 「自然」を起点に地方誘客 JNTOフランクフルト事務所 多田憂哉次長


 インバウンド観光の誘致において、欧州で高いポテンシャルを秘めている国はどこか。アメリカと中国という旅行大国に次ぎ、「2019年延べ外国旅行者数世界第3位の国」「2023年アウトバウンド消費額世界第3位の国」、これはいずれもドイツである。もっとも訪日旅行(インバウンド)については、まだ伸びしろがあるわけだが、海外旅行への意欲と旅行消費額の高さという観点では確実にポテンシャルがある市場だ。

 2023年の訪日ドイツ人数は23万人を超え、コロナ禍前の水準にほぼ回復しており、さらに2024年に入ってからの勢いはすさまじい。2月以降、同月比では過去最高を記録し続けており、イースターと桜が後押しをして2019年同月比66%増を記録した3月はもちろん、他の月も順調に伸び、上半期では2019年同期比の33%増となった。ドイツとの直行便の回復率が6月時点で2019年比8割未満であることを鑑みると、目覚ましい増加率である。

 日本での訪問先では、ゴールデンルートの人気は根強い一方で、地方への訪問も増えてきている。観光庁の宿泊旅行統計調査によると、地方部の宿泊者数は、石川や福岡など、主要地からのアクセス情報や文化・食・歴史等の魅力的なコンテンツを発信している県が特に高い。

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