今回はWEB集客の観点ではないが、「館内案内の強化」について述べたい。
一言で館内案内といっても、その中にはさまざまなものが含まれる。例えば「チェックイン時にお渡しする館内の説明用紙」や「館内での移動中にお客さまが迷わないように設置するサインボード(案内板)」や「客室内にある館内インフォメーション」などである。
なぜ、今、見直しを提言しているかと言うと、大きな理由の一つは海外ゲストの増加である。どの施設も集客については一生懸命対策を打ち、多言語WEBサイトの作成、海外OTAの参画や強化などは実施していることも多いが、いざ受け入れる際の案内になると脆弱というケースが多々見受けられる。
従って自然と海外ゲストからの質問も増加し、スタッフたちには、「海外ゲストに対して面倒くさい」という苦手意識が生まれてしまうことになる。それは確実に海外ゲストにも伝わり顧客満足度を低下させ、レビューに影響し、悪循環となる。
このような悪循環に陥らないためにも、海外ゲストの求めるものにも応えた館内案内の見直しを検討してみてほしい。
初めの一歩は難しくなく、例えば海外ゲストの問い合わせが多いもの、現地でよく聞かれるものを抽出して、それを予め翻訳し案内用紙として配布することである。
今や常識となりつつある「温泉の入り方」や「大浴場ではカメラ禁止」のご案内も実施していない施設も見受けられるが、海外ゲストを受け入れる際には必須の案内と言えよう。
館内の看板のつけかえや設置は費用を伴うものであるので、一考の余地があるものと思われるが、海外ゲスト用の案内用紙は低コストで(極論、スタッフのお手製で)作成可能なものであるので、ぜひ作成を検討してみてほしい。インバウンド対応を支援する国の補助金を活用することもよいであろう。
次号では、海外ゲストのみならず、国内ゲストに対しても有効な館内案内の強化について考察していきたい。
アビリティコンサルタント・プライムコンセプト取締役 内藤英賢