以前にキャンセルポリシーの見直しについて述べた。ウェブでの予約が主流になった今では、国内外の団体予約もウェブで予約が入るケースがあり、以前のままのキャンセルポリシーの設定ではいろいろと不都合が生じてきたことが背景にあることを述べた。
このように時代の流れに合わせて制度や設定を見直すことは重要であるので、今号ではいくつか例を示して考えてみたいと思う。特にウェブでは、初期登録のまま特にメンテナンスをせずに10数年経過しているというケースもあり、ぜひ1年に1度は見直しをかけてみてほしい。
まずは、客室タイプについてである。自施設で保有している客室タイプとウェブで販売されている客室タイプをじっくりと見比べてみてほしい。「過不足がないか」「時代の流れに合っているか」などの視点で見ることが望ましい。そうすると「和室(定員4人)」の1タイプでくくっていたものが、「和室10畳(定員4人)」と「和室12畳(定員5人)」で分離して売れないか?(こうすることで1室あたりの売り上げが増える可能性が生まれる)といった考えや、5階フロアは実質的に禁煙扱いで売っているが、ウェブ上で販売されていないので「禁煙、和室10畳」という部屋タイプを作ってみようかなどの考えが浮かぶはずである。
続いて、料金ランクについてである。昨今では多くの施設がサイトコントローラーを使用して料金ランクを設定して、料金コントロールをしていると思うが、その料金ランクも意識をして運用しないと漫然としたものになってしまう。例えばA~Eの5タイプの料金ランクを持っている施設があるとして、平日はE、休前日はD、3連休はC、盆暮れGWはBとAを使用するなどのようにルール化されているケースが多いと思うが、運用をしているとCだとすぐに満室になってしまうが、Bだと高くなり過ぎてしまうので、間のランクがほしいと感じる場合が必ず出てくると思う。そういう日をきちんと把握して、次シーズン時に、きちんと間のランクを設定して収益最大化を図れるかが大事である。
これらは喫緊の課題ではないので、放置されがちであるが、繁盛施設では必ず定期的に見直しをかけて、今の時代のトレンドに合わせて柔軟に変更をしている。ぜひ、定期メンテナンスを実施してみてほしい。
(アビリティコンサルタント・プライムコンセプト取締役 内藤英賢)