いよぎん研究センター、道後温泉の集客策提案


 伊予銀行系のいよぎん地域経済研究センターはこのほど、道後温泉(愛媛県松山市)の現状と未来に関するリポートをまとめた。リポートは旅館数と宿泊客数の減少を踏まえ、「かつてのにぎわいを取り戻すには地域一体となった取り組みが必要」と指摘。その上で(1)道後にしかない魅力づくり(2)滞在時間を延ばす工夫(3)地域から愛される温泉地を目指す──と提言した。

 リポートによると、道後温泉の旅館は89年に58軒あったが、09年には31軒に減少。年間宿泊客は00年までは100万人台で推移していたが、01年以降は80万人台、09年は77万人となっている。定員稼働率も落ち込み、09年は31.6%に。「一般的な採算ラインが40%であることを考えると、旅館によっては厳しい状況を余儀なくされている」と同センター。

 今後の取り組みとして3項目を挙げたが、まず魅力づくりについては、「食」の楽しみと道後ならではの趣を演出すべきだとした。特に、食については新鮮な魚に対するニーズが多いことを踏まえ、「満足度を高めていくことができれば単価の向上やリピーターの獲得も期待できる」とした。

 滞在時間を延ばすため市内での回遊性を高めるべきだと指摘。複数の観光施設を自由に出入りできるフリーパスの発売、施設の閉・開館時間に柔軟性を持たせることなどを提案している。

 また、道後温泉が地域から愛されるためには、(1)入浴料割引(2)格安宿泊プランの発売(3)学校行事で地元の小中学生に温泉を利用してもらい、身近に感じてもらう──に取り組むべきだとした。

 
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