有明海に面して建つホテル南風楼(長崎県島原市)は、農協観光のグループ会社、コープサービス(東京都千代田区、梅木誠也社長)を通して、鈴茂器工のご飯盛り付けロボット「Fuwarica」を導入している。使い勝手などを接客部長の宮﨑忠房さんに聞いた。
南風楼は本館、別館、新館のザ・グランドオーシャンズなど総客室数95室、収容人員380人を誇る、島原温泉を代表する宿泊施設の一つだ。客室はオーシャンビューで「露天風呂からの景色は最高。特に朝日は素晴らしいです」と宮﨑さん。温泉は天然温泉(炭酸水素塩泉)で、しっとりとした肌触りは美肌効果もあり、女性に人気だ。
コロナ禍も落ち着き、宿泊客もコロナ前まで戻り、韓国をはじめとするインバウンドも増えてきたという。ブックカフェやキッズコーナー、無料ドリンクバー、子ども用プール、動物ふれあいコーナーなど1日中遊びつくせる施設だ。
ご飯盛り付けロボットは2台導入し、主に朝食会場に置いている。「お客さまは茶わんを置いて必要な量のボタンを押すだけでご飯がフワっと盛り付けられ、見た目も奇麗。表示も分かりやすく、操作も簡単。ご飯のうまみも良く引きだしている。技術の進化を感じます」と宮﨑さんは太鼓判を押す。
朝食会場は多くの宿泊客でにぎわうが、ご飯盛り付けロボットはスピードも速く、待たせない。スタッフを張り付かせる必要もなく、人手不足解消にも役立っている。
9月12日に導入したばかりで、コストメリットはまだ感じていないが、「トータルではペイしそう」という。
観光業界は慢性的な人手不足。カバーするにはロボットの導入は避けられないと宮﨑さん。他メーカーだが、配膳ロボットも2台導入している。ご飯盛り付けロボットは予想以上の効果を発揮しており、ホテルのロボット化はさらに進みそうだ。
島原温泉を代表する施設の一つ、南風楼
朝食会場に置かれているご飯盛り付けロボット