リクルート旅行カンパニー(冨塚優・旅行カンパニー長)は12日、宿泊施設対象のセミナー「じゃらんフォーラム2010」を東京の品川プリンスホテル・アネックスタワーで開いた。旅館・ホテルから約600人が参加した。
沢登次彦・じゃらんリサーチセンター長は「地域を元気にするエリア活性事例」を講演。余暇が多様化し、家族の思い出作りが家族旅行から高層マンションの広いリビングで楽しむ任天堂のゲーム機「Wii」に、家族費用の使い道が家族旅行から子供の携帯電話の「パケット通信代」に、旅先で楽しむ旬の味覚がネット通販などの「お取り寄せ」にそれぞれシフトするなどの環境変化が起こっていると指摘した。
その上で「いま観光地に求められているのは都市部の休日以上の時間が旅先で過ごせること。消費者が求める『新しい価値』を創ることだ」と話した。
じゃらんが地域に協力し、新しい価値を創出した具体例として、長崎、佐賀の両県で行った「携帯ゲーム『コロプラ』と連動した1泊2日ツアー」や「初めてのパパ子2人旅イン新潟」「乳幼児向け宿泊促進プロジェクト」などを紹介した。
また、山田修司・リクルートCS推進室ゼネラルマネージャーは「『じゃらんnet』130万件の投稿から見る最新クチコミ対処術」と題して、ネガティブなクチコミ投稿に対する具体的対処方を指南した。
返信を書き込む際に注意すべき点として、(1)相手の気持ちにフォーカスすること(2)クチコミを読む未来予約者に向けて書くこと(3)ネガティブな投稿文の中から良いところ(褒めてくれている部分)を探し出して、お詫びの返信文の中でアピールポイントとして利用すること(4)相手の事実(相手が受けた印象)を尊重し、反発せずに認めること(5)ただ謝罪するのではなく、カスタマーが期待している反応に応え、私はうれしい、私は悲しいと一人称で悲しみ、絶望してあげること──などのノウハウを伝授した。
同フォーラムは今年で3年目。昨年は東京と大阪の2カ所で開いたが、各施設から地元で行ってほしいとの要望が多かったことから、今回は2月の第1週から4週にかけて大阪、名古屋、沖縄、東京、広島、福岡、北海道の順に全国8カ所で展開している。
講演する沢登じゃらんリサーチセンター長