折衝に時間、約半年かけて実現
はとバスは6月25日、羽田空港の制限区域内を2階建てバスで走る「羽田空港ベストビュードライブ」の運行を開始した。同区域内を同社のバスが走行するのは「創業以来初めて」(広報室)という。離発着する航空機を間近に見られるなど、航空ファンのみならず、注目を集めそうだ。24日には報道関係者向けの試乗会も行われた。
同コースは、京橋エドグランを出発し、羽田空港で2階建てバスに乗り換え、保安検査を受けて許可された車両だけが走行できる制限区域内を約70分走り、うち約10分間滑走路付近に停車する。「高さ約3.8メートルのバスの車窓から駐機中の航空機や離発着する飛行機を見ることができ、羽田を新たな角度から体感できる」という。
同社の2階建てバスはオープントップバスと屋根付きバスがあるが、どちらを利用するかは当日の天候や気温などで決める。オープントップバスの場合は、停車中に屋根(幌)を開放する。
制限区域内を走るにはさまざまな規制をクリアする必要があり、空港内専用のナンバープレートの取得やセキュリティ体制の構築、ドライバーの運転取得許可や習熟運転など、「関係各所との折衝を含め、約半年かけて実現した」と広報室。
ちなみに、ナンバープレートの取得はオープントップと屋根付きの2階建てバスはそれぞれ2台の計4台、一般の観光バスが3台となっている。
運行は6月25日からの土・日・祝日で、1日3便(所要時間4時間10分)体制。料金は羽田エクセルホテル東急での食事が付いて1万3千円(大人、子ども同額)。乗車定員は1台に付き30人で、25日は満席の90人の利用があった。現在、7月末までの予約を受け付けている。
「この運行を通じて、コロナ禍で低迷する観光需要の喚起、航空機利用者以外の人にも空港に親しんでいただける機会の創出を目指すとともに、新たな東京観光の魅力を発信したい」としている。
同社によると、制限区域内のバスツアーは成田や福岡空港などでも開催されている。
航空機の発着も間近に見られ、迫力満点