リョケン「旅館大学セミナー」に150人
旅館・ホテルの設備投資や改装工事、社員研修、販売促進などのコンサルティングを行うリョケン(静岡県熱海市、佐野洋一社長)は10、11の両日、群馬県みなかみ18湯水上温泉のみなかみホテルジュラクで「旅館大学セミナー」=写真=を開講した。163回目となるセミナーには、全国から旅館経営者、幹部ら約150人が参加。みなかみホテルジュラクの戦略を紹介する講座などを行った。
会場となったみなかみホテルジュラクは、昨年10月にリニューアルオープン。「リブランディング&リボーン計画」の第1弾として、総投資額14億5千万円の大規模リニューアルと耐震補強工事を実施し、全107室中36室のリニューアルや、ブッフェダイニング「KAWATONE」の新設をした。
セミナー初日の10日には、改装した客室、新設したダイニングを中心に館内見学が行われた。冒頭、リョケンの佐野社長は「ジュラクは昔からバイキングが有名だった。リニューアルでは『作りたて』の提供を特に意識したライブ感あるオープンキッチンを整備した。その他の投資箇所も、団体から個へのリボーン・リブランディングがテーマとなっている」とあいさつした。
講演では、同館加藤治社長が「みなかみホテルジュラクの新戦略展開と設備投資の目的と概要」をテーマに施設改装の経緯などを紹介。団体から小グループ、ファミリー、女性の宿泊客などへのニーズ変化に対応するリゾート施設のリボーン戦略の背景と今後の課題を語った。「バブル時代などを経て令和の時代となった。業界の在り方、旅館・ホテルの立ち位置が大きく変化している。当館は投資を経て、2024年の100周年に向けまい進している。参加者にも実施した投資を参考にしてもらえれば」と加藤社長。
続いて「販売戦術と運営改善への取り組み」をテーマに、同ホテルの経営改善委員会によるパネルディスカッションを実施。「販売促進」「サービス運営」「レストラン運営」について、KPI、売上高の推移など具体的な数値を交え議論した。
2日目の11日には、リョケンによる「4軒の事例から学ぶ『自活経営』のヒント~自らの活路を切り拓くための取り組み手法を徹底研究~」と題した講演会が実施され、「生産性向上」「商品力強化」「人材・組織」など、実際の取り組みや成果を具体的に紹介した。
次回の旅館大学セミナーは、今年12月11~12日の2日間の日程で、山口県長門湯本温泉の大谷山荘で開催される。