札幌観光バス(札幌市)は7月3日から、アイヌ文化拠点を巡る日帰り周遊バス「セタプクサ号」=写真=の運行を開始する。セタプクサはアイヌ語で「すずらん」を意味する。車体はアペフチカムイ(火の神)をイメージした鮮やかな赤色の下地に白と青でアイヌ文様を力強く描いたもので、平取町在住の伝統工芸作家貝澤守さんと高野啓子さんの2人がデザインを手掛けた。
運行は3日から10月17日までの土、日、祝日(9月23日を除く)の各日1便。JR札幌駅発着で、新千歳空港を経由してアイヌ文化の交流拠点である白老町の民族共生象徴空間「ウポポイ」と平取町の「二風谷コタン」を周遊する。ウポポイでは約2時間、二風谷コタンでは約50分の見学時間を取り、帰路に温泉施設にも立ち寄る。
ガイドも同乗し、各地の見どころや見学ポイントなどを説明。アイヌ文化に対する学びを深めてもらう。乗車定員は15人で、料金は乗車コースによって2千円から3千円。
ウポポイと二風谷コタンは100キロ離れており、双方を直接結ぶ交通機関がなかったが、昨年度から札幌観光バスが平取町のアイヌ政策推進交付金事業を受けて周遊バスを実現した。同社は「ぜひ、多くの皆さんに利用いただき、アイヌ文化に対する理解を深める機会にしてほしい」と話している。