観光庁は、1月28日に発表した「観光庁アクションプラン」で、2010年度まで約2カ年に実施する施策を具体化した。インバウンドの振興策では、世界的な景気後退を踏まえて、プロモーションのあり方を見直す。このほか国際会議の誘致開催の推進に向けて中長期戦略を策定することにした。
インバウンドでは、プロモーションの見直しとして、市場ごとにターゲット層や誘客のテーマを再検討する。09年外客数の目標数値は、日本政府観光局の海外宣伝事務所などからの報告を基に3月中に決定する。新規市場の開拓にも乗り出す。インド、ロシア、マレーシアで09年度にプロモーションを試行し、10年度からの対象市場化を目指す。また、国際会議の誘致開催では、対象を国際会議だけでなく、MICE(国際会議、見本市、インセンティブツアー、文化・スポーツイベントなど)全般に広げ、施策のあり方を中長期戦略として今年6月までにまとめる。
観光庁アクションプランの他の主要施策は次の通り。
【インバウンドの推進】
2020年に外国人旅行者を2千万人にするための中長期戦略の策定▽ビザ手続きの緩和や入国管理手続きの改善など受け入れ態勢の整備
【アウトバウンドの推進】
旅行会社などのビジネス環境の整備(チャーター便の促進など)▽若年層の国際相互理解の促進(海外修学旅行の実施拡大など)▽ビジット・ワールド・キャンペーン(VWC)などと連携したツー・ウェイ(双方向)ツーリズムの推進
【国内観光旅行の振興】
観光圏の整備促進▽行政・民間・地域の連携の場の整備▽観光地づくりの担い手となる人材育成への支援▽CSの推進(観光地、宿泊施設のCSを測定する標準的な手法の設定)
【国際会議の誘致開催】
MICE誘致開催の戦略策定に向けた有識者検討会の設置
【観光産業の国際競争力の強化】
宿泊産業の活性化▽産学官の連携による大学での教育体制の充実
【観光統計の充実】
全国共通基準による入り込み客・消費額の統計調査の実施