アスコット丸の内東京、江戸木版画の展示イベントを開催


講演する高橋氏

伝統技術と現代アートの融合

 アスコット丸の内東京は4月19日、江戸木版画の展示イベント「Ascott Soiree(アスコットソワレ)×江戸木版画・継承される江戸の風景と現代アート」を開始した。期間は4月27日までの9日間で入場は無料。

 同イベントは、「Art of Living(アートのある暮らし)」をブランドコンセプトとするアスコット丸の内東京と、東京高橋工房/東京伝統木版画工芸協同組合とのコラボレーション企画。約20点の江戸木版画を一度に鑑賞できる貴重な機会となる。

 会場では歌川広重の「名所江戸百景」シリーズや葛飾北斎の「冨嶽三十六景」など、江戸時代の町民文化を伝える木版画(復刻版)を展示する。現代作品では、レディ・ガガのシューズデザインで話題を呼んだ舘鼻則孝氏による令和版「東海道五十七次」から未公開作品も披露。建築家・隈研吾氏のデッサンを木版画に仕上げた作品も展示され、伝統と革新が交差する空間を作り出す。

 最終日となる4月27日には、木版画の制作工程実演も予定されている。職人の技術を間近で見られる貴重な機会だ。

 Ascott Soiree(アスコットソワレ)はアスコットのブランドシグネチャー体験の一つで、世界各国のアスコット施設で展開されているグローバル・アクティビティ。今年度のテーマは「FINE CRAFTSMANSHIP(ファイン クラフトマンシップ)」となっており、日本では江戸木版画に焦点を当てた。

 イベントに先立ち4月18日に開催された報道関係者向けの限定レセプション内覧会では、東京高橋工房・6代目の高橋由貴子氏による「江戸木版画」の解説が行われた。

講演する高橋氏

 高橋氏は、高橋工房6代目で東京伝統木版画工芸協同組合理事。安政年間創業の工房を受け継ぎ、伝統的な江戸木版画の伝承と普及に尽力している。また、古典的な図柄と現代アーティストの作品を組み合わせるなど、斬新なアイデアで現代の版元として活躍している。

  同氏は江戸木版画について、次のように解説した。

 「江戸時代初期に浮世絵版画が誕生。旅をすることが難しかった時代、旅のガイドや娯楽として親しまれました。木版画は、絵師、彫師、摺師の3者によって制作されます。版元が企画、絵師が絵を描き、彫師が版木を彫り、摺師が刷ります。現代もこの体制は変わっていません。 木材が豊富だった日本において、木版画は独自の印刷文化として発展しました。一方、ヨーロッパでは石版画が主流でした」

 「江戸時代の浮世絵は安価で庶民にも親しまれ、文化の発展に貢献しました。 なお、伝統工芸品は、日々の生活で使われるものであって、アートではありません。例えば浮世絵を団扇や扇子にあしらうなどして親しみ、楽しんでいただくものです。皆さまもぜひ日本の伝統工芸品を日常生活の中で楽しんで下さい」

 展示会場はアスコット丸の内東京(東京都千代田区大手町1-1-1 大手町パークビルディング22階)。東京メトロ大手町駅直結、JR東京駅からは徒歩約10分の場所にある。開催時間は午前10時から午後6時まで。詳細は公式サイト(https://www.discoverasr.com/ja/japan/ascott-soiree-2025)で確認できる。

 
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