インバウンドガイド協会(久保成人会長)は9日、海外のガイド制度などを紹介した「ガイド白書2020」=写真=を刊行した。調査対象は、旅行者数が多い八つの国・地域(日本、イギリス、フランス、スペイン、中国、台湾、アメリカ、タイ)。各国のガイド制度の考察から、日本国内におけるガイドの人材育成やガイドサービスの品質向上に寄与する。
白書は、通訳案内士法が改正されてガイドが増加するも生計を立てられる人が限定的で、提供するサービスも一定していないことから、あるべき姿を再考するために調査、刊行したもの。
ガイド白書では、(1)調査概要(2)各国のガイド制度詳細(3)調査結果(4)考察―の四つの章に分けて制度の傾向や特徴的な施策、有効性などを紹介。考察として、「一部業務独占の導入による、資格保持者の優遇と重要施設におけるサービス品質の担保」「ガイドの人材育成や資格・認定における教育機関の活用」「資格・認定における実技試験や研修の導入による実務面の重視」「外国語だけではなく、母国語も含めたガイドの人材育成や資格・認定制度の必要性」「ガイドのサービス品質に関する世界的な評価基準の標準化の必要性」などがある。
同協会のウェブサイトで内容が確認できる。今後も定期的にガイド白書を刊行する予定だ。