ウィラー、シェル型シートを導入


コクーン搭載バスの車内

コクーン搭載バスの車内

 全国で高速ツアーバスを運行するウィラー・トラベルは7月22日、同社が開発した新バスシート「コクーン」を報道関係者らに公開した。大型シェルで囲った個室に近いバスシートを左右に1列ずつ配置した新しい形態のバスシートの導入で、30〜40代のビジネスマンなど、従来の顧客層とは異なる利用者の取り込みを図る。

 コクーンは、「これまでのバスにはない、新たなバスの創造」(村瀬茂高社長)を目指し07年から検討を進めるなかで生まれた。繊維強化プラスチック(FRP)を使ったシェルには、ゲームなどを楽しめるエンターテイメントシステムのほか、鏡や網ポケット、靴収納スペースなどを内蔵し、高い居住性を実現した。1台あたりの座席数は価格帯が同じ同社のビジネスクラスのバスよりも3席多い19席。

 車両の開発費、製造費などは従来のバスよりも割高だが、「シートを斜めに配置することで、各シートの空間を大きく保ちながらも席数を多く確保しており、採算面ではビジネスクラスとあまり変わりはない」と村瀬社長。8月までにコクーンを搭載したバス3両が運行を始め、1年間で10両程度まで増やす考えだ。年内の目標利用人数は7500人。

 同バスは7月23日から東京〜関西で運行を開始し、全国6路線でのお披露目運行も行う。東京〜関西の運賃は9800円から。

 7月21日時点でのコクーン搭載車両の予約者は981人。年代別では、10代は4%、20代が31%、30代が29%、40代以上が36%。職業は、学生が9%、会社員が69%、アルバイトは3%、主婦が9%、その他が9%。一方同社の従来のバス利用者の内訳を見ると、年代別では20代が約3分の2、職業別では学生がほぼ半数、次いで会社員が3分の1の割合となっている。

コクーン搭載バスの車内
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