
ウォーターサーバーをアピールする手嶋教授(右)と石田社長
長野県を拠点にヘルスケア関連事業を手掛けるファミリー・サービス・エイコーは、重金属イオンなどを除去できるカートリッジを搭載したウォーターサーバーを提供している。ウォーターサーバーは、信州大学と共同開発し、現在、県内中心に約50カ所で設置済みだ。10日、東京都内での初設置を記念して、設置場所である県のアンテナショップ、銀座NAGANOで会見を開き、性能をアピールした。
会見にはファミリー・サービス・エイコー代表取締役社長の石田幸司氏と、信州大学アクア・リジェネレーション機構長で卓越教授の手嶋勝弥氏が登壇した。
両氏によるとカートリッジには、「信大クリスタル」を使用。信大クリスタルは、手嶋研究室が生み出した先鋭的な結晶材料で、その一つである「重金属吸着材」を使用している。そのため、信大クリスタルは、水に溶け込んだ有害な重金属イオン(鉛、カドミウムなど)や、有機フッ素化合物(PFAS)などを高効率に除去する一方で、水に含まれるミネラル成分は残すことができるという。石田氏は、「今後は、旅館・ホテルへの提案を積極的に行いたい」などと述べた。
ウォーターサーバーは信大が進める「swee(スウィー)」に採用。sweeは、信大発のマイボトル専用のアクアスポットで現在、県全域で展開されている。信大の各キャンパスをはじめ、松本市などの自治体や、ホテルを中心に設置されている。
信州の水をさらにおいしく飲める場として、また、市民や観光客にSDGs達成や、ペットボトルの削減など脱プラ社会への意識を高めてもらう場としても位置付けられている。
信大クリスタルは8月14日から19日の6日間、大阪・関西万博の文部科学省主催イベント「わたしとみらい、つながるサイエンス展」の信大ブースに出展予定という。
ウォーターサーバーをアピールする手嶋教授(右)と石田社長