エイチ・アイ・エス(澤田秀雄代表取締役会長兼社長)は8日、「2017年10月期(16年11月~17年10月)」決算を発表した。売上高、当期純利益ともに過去最高を記録した。
連結業績は、売上高が前年同期比11・5%増の6060億2400万円、売上総利益が同9・2%増の1147億3800万円、営業利益が同11・5%増の159億1500万円、経常利益が同127・4%増の196億4700万円、当期純利益が同4864%増の132億5900万円だった。
拠点数は、国内が同9カ所減の286拠点、海外が同41カ所増の271拠点。従業員数は、同2552人増の1万6932人となった。
旅行事業、ハウステンボスグループ、ホテル事業、九州産交グループなどのセグメント別業績も開示。旅行事業は売上高が同15・3%増の5368億2600万円、営業利益が同9・5%増の99億円だった。ハウステンボスグループは売上高が同15・4%増の367億8千万円、営業利益が同2・7%増の76億880万円だった。ホテル事業は売上高が同23・7%増の81億7700万円、営業利益が同37・5%増の7億6400万円だった。九州産交グループは売上高が同10%増の222億8200万円、営業利益が同531・9%増の5億6400万円だった。
旅行事業では、M&Aにより、40拠点を展開するカナダの旅行会社、メリットトラベルと、日系ツアーオペレーターとして欧州1位のミキツーリストを傘下に収めたことも業績向上に貢献した。一方で「多店舗展開、人海戦術で営業する時代は終わった。今後は本格的にOTA化を進める」(澤田会長)と明言。本丸である旅行事業の構造改革に取り組むとした。
ホテル事業は、台湾のグリーンワールドホテルグループを傘下に収めたこと、変なホテルの出店が好調なことなどが奏功。澤田会長は「現在30軒のホテルを、3~4年で100軒まで増やす」と強調し、同事業を今後拡大し、収益の柱の一つにする考えを示した。
ホテルの事業展開は、12月15日に「変なホテル東京 西葛西」(全100室)、18年2月1日に「変なホテル銀座」(全98室)、18年4月27日に「変なホテル浜松町」(全118室)の新規開業が決まっている。変なホテルは今後、浅草橋、赤坂、羽田、心斎橋、京都、博多にも出店を予定している。
同社の10月末の財務状況は、現金預金が1930億円で有利子負債残高が1709億円。澤田会長は「今後、18年から20年までの3カ年、年間500億円程度ずつを設備投資とM&Aに投入する」とした。