エクスペディアは21日、ダイナミックパッケージに関するデータを公開した。詳細は以下の通り。
世界75カ国以上、35言語でExpedia.com®や Hotels.com®など200以上のオンラインサイトを展開する世界最大級のオンライン旅行会社、エクスペディア グループ(以下、エクスペディア)はこのほど、宿泊施設におけるダイナミックパッケージの役割に関する白書(The Power of Package Bookings for Hotels 英語のみ) を公開しました。同白書では、宿泊施設と一緒に航空券やレンタカーを自由に組み合わせて予約するダイナミックパッケージが宿泊施設と旅行者の双方に利点があるものの、宿泊施設が戦略的にダイナミックパッケージの需要を喚起するためには情報が不足していると報告し、米国内の宿泊施設向けにエクスペディアでのダイナミックパッケージを活用した需要の拡大方法について提案しています。
日本政府の掲げる「2020年、訪日外国人旅行者を4000万人に」をサポートするため、エクスペディアが過去12 カ月間の日本におけるインバウンド データ[1]を分析し、ダイナミックパッケージと宿泊のみの需要を比較したところ、日本においてもダイナミックパッケージによる予約は収益増大、早期予約確保、キャンセル率低下を図る上で効果的であるという結果が確認されました。これは訪日外国人旅行者の取り込みを目指す国内の宿泊施設にとって注目すべき傾向であり、エクスペディアでは分析データを基にパートナーである宿泊施設がより多くの訪日外国人旅行者を取り込めるよう、以下のようなアドバイスや情報提供を行っています。
■パッケージを予約する旅行者は旅行回数や消費額が多い
以前はダイナミックパッケージの利用者の多くは大幅な割引を目当てにする傾向が強くみられましたが、現在では予算重視の旅行者のみならず高級志向の旅行者でも時間を節約するためにダイナミックパッケージで予約を行っています。旅行者がパッケージ商品を提供するオンライン旅行会社を利用するメリットは、ホテルや航空券など単体での販売に特化したウエブサイトとは異なり、同じサイト内で異なる種類の予約を効率よく比較検討できることです。エクスペディアなどのオンライン旅行会社では、たくさんの航空券、宿泊施設、レンタカーの価格を比較しながら予約できるサービスを提供しており、同時にそれぞれの予約を組み合わせることができるため時間と費用の節約が容易です。米国の旅行に関する調査会社であるフォーカスライトは、2016 年の報告書「Destination Unknown: How U.S. & European Travelers Decide Where to Go」で、宿泊や航空券を組み合わせたパッケージ商品を予約する旅行者は、それぞれを単体で予約する旅行者と比較し、旅行回数や消費額が多い傾向があると述べています。
■ダイナミックパッケージで予約をする訪日外国人旅行者は長期滞在と早期予約が多い
エクスペディアでダイナミックパッケージを予約する訪日外国人旅行者の宿泊数は、宿泊単体で予約する場合の 2 倍におよぶ傾向があり、需要の拡大を目指す宿泊施設にとってダイナミックパッケージで客室を販売することは有効的と言えます。ダイナミックパッケージ予約と宿泊施設のみの予約の平均宿泊数1を比較した結果は以下のとおりです。
ダイナミックパッケージ予約 | 宿泊施設のみの予約 | |
東京 | 5泊 | 3泊 |
京都 | 5泊 | 2泊 |
大阪 | 4泊 | 2泊 |
札幌 | 4泊 | 2泊 |
さらに、ダイナミックパッケージで予約した訪日外国人旅行者は、チェックイン日の 平均77 日前までに予約を完了しているという結果も出ています。この結果は、宿泊施設のみの需要の 1.7 倍に相当します。一方、シンガポール、ソウル、ニューヨーク(マンハッタン)、ロンドンなどの都市においては、ダイナミックパッケージによる予約は平均で約 50 日前に行われているという結果が出ています。
早期予約や長期滞在が多いダイナミックパッケージ・ユーザーに対しては、チェックイン前や宿泊施設到着後に、さらに多くのサービス・商品を提供することで売上を伸ばす機会も増えると言えるでしょう。
■ダイナミックパッケージで予約する訪日外国人旅行者はキャンセルが少ない
ダイナミックパッケージで予約をする場合、一般的に返金不可の航空券が含まれているため、全世界的にダイナミックパッケージの予約キャンセル率は宿泊施設のみの予約に比べて半分程度に下がります。特に、旅行保険の購入や、手頃な料金で返金可能な宿泊施設の予約を検討している旅行者へダイナミックパッケージによる予約をアピールすることは重要です。日本では、ダイナミックパッケージ予約のキャンセル率は、宿泊施設のみのキャンセル率より 10% 以上低い結果が出ています。
《宿泊施設がダイナミックパッケージを賢く活用するには》
- 航空券について理解し、活用する
日本行き航空券の価格は、一般的に出発日の3カ月前までが最も割安で、出発日が近づくにつれて上昇し、出発日の一週間ほど前になるとやや低下する傾向にあります。宿泊施設は、航空券の価格が割安な3 カ月以上前までにダイナミックパッケージ商品として販売する客室を提供し、旅行者に値ごろ感を与えることが必要です。早い段階で一部屋でも多く客室を販売することができれば、直前で売れ残った空室の単価を下落させることなく販売戦略を立てることが可能です。
- ダイナミックパッケージを予約する旅行者について把握し、販売戦略に取り込む
エクスペディアのデータ1によると、訪日旅行者でダイナミックパッケージの予約が多い市場は、香港、米国、タイ、台湾、マレーシア、英国であり、特にマレーシアと英国の旅行者は早期予約の傾向が最も強く、平均で 105 日前までに予約するという結果が出ています。続いて、タイが 100 日前、香港が 80 日前までとなりました。
また、ダイナミックパッケージで予約した米国と英国の旅行者は長期滞在の傾向が最も強く、平均滞在日数は米国が 6 日間、英国が 8 日間でした。キャンセル率が低い市場はマレーシア、香港、英国で、日本国内でダイナミックパッケージを利用した予約の平均キャンセル率を大幅に下回っています。
さらに、ダイナミックパッケージの予約需要は、前年同期比で台湾が280% 増と急増しており、香港 (70% 増)、シンガポール (65% 増)、オーストラリア (40% 増)、米国 (20% 増) も堅調な伸びを示しています[2]。
- 満足度の高いサービスで収益の増加につなげる
早めにダイナミックパッケージを予約する旅行者は、宿泊施設のレストラン、バー、スパ、現地ツアーなどの消費額が多くなる傾向があります。また、宿泊施設のサービスに対する満足度が高い旅行者も消費額が増えます。例えば、米国のギャラップ社による調査では、1滞在あたりの平均消費額を比較したところ、満足度の高い旅行者は 588米ドル、平均的な満足度の旅行者は 457米ドル、満足度の低い旅行者は403米ドルという結果が出ています[3]。旅行者が予約を完了した時点から細やかなサービスを提供し満足度の上昇に努めることが重要です。
エクスペディアがパートナーである宿泊施設に無料提供する予約管理システム「Expedia® PartnerCentral」では、チェックイン前や滞在中も旅行者へコンタクトできるため、簡単な方法で好意的な口コミへつながるようなサービスの提供が可能となり、継続的に旅行者の満足度を高める手段の一つとして活用できます。
- エクスペディア グループの営業担当によるサポート
エクスペディアでは、東京、大阪、名古屋、福岡、那覇、札幌の各拠点にそれぞれの市場を熟知したマーケットマネージャー(営業担当)が常駐しています。パートナー宿泊施設の目標達成に貢献できるよう、季節ごとのトレンドやイベントから、キャンペーン、プロモーションまで、一つひとつの施設に合わせた個別のアドバイスを行っているため、宿泊施設がターゲットにする旅行者層のニーズを満たすダイナミックパッケージの提供も容易になります。
以上
■ エクスペディア® ロッジング パートナー サービスについて
エクスペディア® ロッジング パートナー サービス (LPS)は、エクスペディア グループの全ブランドサイト (Expedia.com®、Hotels.com®、Hotwire®、Travelocity®、Wotif®、Egencia®(業務渡航専門旅行会社)、Expedia® Affiliate Network など) へ宿泊施設を提供する「ソーシング業務」を行っています。
パートナーである宿泊施設 (ホテル、旅館、カプセルホテルなど) は当社とひとつの契約を結ぶと、アクセス数が月間6億超に上る75カ国、35言語による200以上の予約サイトを展開するエクスペディア グループの旅行ブランドサイトを通じて、何百万人にもおよぶ世界中のさまざまな旅行者にアクセスすることが可能です。
■ エクスペディア グループについて
エクスペディア グループ (NASDAQ: EXPE) は、世界最大級のオンライン総合旅行会社で、幅広いブランド・ポートフォリオを誇ります。傘下のオンライン旅行ブランドおよびサービス例は下記の通りです。
- Expedia.com® – 世界33カ国で現地対応のオンラインサイトを運営する総合旅行会社
- Hotels.com® – 各地域に対応した89のサイトを39言語で展開し、ロイヤリティプログラムの Hotels.com® Rewards が好評の世界的な宿泊施設専門予約サイト
- Expedia® Affiliate Network (EAN) – 独自の API (アプリケーション・プログラミング・インターフェイス) およびテンプレート・ソリューションを提供し、数百におよぶ大手航空会社、旅行会社、ロイヤリティ、業務渡航専門旅行会社、さらにはコンシューマー・ブランドのホテルビジネスをサポートするグローバルな B2Bブランド システム
- trivago® – 世界55カ国で展開している主要なオンラインホテル検索プラットフォーム
- HomeAway® – Abritel™、FeWo-direkt™、BedandBreakfast.com® などのブランドを傘下に保有するバケーションレンタル業界大手の国際的なオンライン・マーケットプレイス
- Egencia® – 業界をリードする業務渡航専門旅行会社
- Orbitz.com®、CheapTickets.com® – ヨーロッパ 7カ国で総合旅行サービスをオンライン展開しているブランド ebookers® を保有する、業界をリードする米国の旅行オンラインサイト
- Travelocity® – 「Customer First Guarantee サービス」で顧客のニーズに応え、カスタマーサービスをいつでもどこでも提供する米国およびカナダを代表するオンライン旅行ブランド
- Hotwire® – お得に宿泊するためのHot Rate®プロモーションを提供
- Wotif Group – Wotif.com® および Wotif.co.nz、lastminute.com.au®、lastminute.co.nz、travel.com.au® などのブランドを有するトップレベルの旅行サイト
- Expedia® Media Solutions – エクスペディア グループの広告販売部門で、各種メディアと提携し、さまざまな旅行消費者層をターゲットにしたブランド広告を実施
- CarRentals.com™ – 13カ国語で展開するレンタカー予約サイト
- Classic Vacations® – ラグジュアリートラベルを代表する業界専門サイト
- Expedia Local Expert® – 世界各地のイベント、アクティビティ、ツアー、アトラクション、地上交通機関などのサービス情報を提供し、予約をサポートするオンラインサイト
- Expedia® CruiseShipCenters® – 235 社以上のフランチャイズ旅行代理店を北米全域で展開する、クルーズとバケーションに特化した予約専門サイト
[1]エクスペディア グループにおける訪日ダイナミックパッケージの需要を2016年4月より2017年3月まで分析
[2] エクスペディア グループにおける訪日ダイナミックパッケージの需要を2016年4月より2017年3月まで分析前年同期比
[3] 出典:ギャラップ(Gallup)「Engage Your Hotel Guests by Taking Care of Their Well-Being’」( 2014 年 11 月)