エクスペディア・グループ、「トラベルバリューインデックス2023 ~2023 年以降の旅行者の傾向について~」発表


エクスペディア・グループ エクスペディア・フォー・ビジネス担当 シニアヴァイスプレジデント兼最高マーケティング責任者 シェリル・ミラー 氏(Cheryl Miller)

 エクスペディア・グループは13日、「トラベルバリューインデックス2023 ~2023 年以降の旅行者の傾向について~」を発表した。

 数年に渡るロックダウンと旅行制限を経て、人々の旅行意欲はかつてないほど高まっています。エクスペディア・グループ の最新リサーチ「トラベル・バリュー・インデックス(Traveler Value Index 2023)」によると、世界の消費者の約半数 (46%) がコロナ前よりも旅行が重要になったと感じており、ほぼ同数 (43%) が 2023 年の旅行予算を増やすつもりであると回答しています。この 1 年以内にレジャー旅行を計画している人も増加傾向にあり、3 分の 2 以上 (79%) というデータが出ています。

 

 昨年、旅行業界は回復を続けましたが、同時に前例のない、そしておそらく今後定着するであろうさまざまな変化を経験したことは間違いありません。最も大きな変化は、旅行サービス全体に対する人々の期待が高まっていることでしょう。エクスペディア・グループのトラベル・バリュー・インデックスでは、旅行者が本当に求めているものを分析し、業界に携わる皆様がどのようにその需要を取り込みながら一貫して最高水準のサービスを提供できるかを調査しました。

 

新たな旅行動機

 まず、旅行業者の皆様は、人々が旅行する理由を認識しておく必要があります。この調査によると、消費者のほぼ半数 (49%) が、2022 年に旅行をした最大の理由として精神的・身体的健康の増進および気分転換を挙げています。セルフケアは 2023 年も引き続き優先事項となるでしょう。多くの人はまた、新しい体験をすること (43%) やコンフォートゾーンを抜け出すこと (22%) を旅行の目的として重視しています。

 

 ロイヤルティ プログラムも重要性を増しています。消費者の半数以上 (53%) が、コロナ前と比べて、会員登録をしている旅行業者で旅行・宿泊をすることの重要性が高まったと述べており、52% がロイヤルティ プログラムの割引料金を最も重視しています。特筆すべきは、旅行サービス提供会社の 75% が、ロイヤルティ プログラムを活用してリピーターからの予約を促進している点です。このような需要を取り込み、旅行者が最も良い形で旅を再開できるようにするには、会員ポイントやクーポンの利用手続きをできるだけ簡素化することが重要です。

 

柔軟性に対する需要は継続

 今日の旅行業界では、コロナ最盛期に比べて混乱がはるかに少なくなっています。しかし旅行者の傾向は、万が一の変更・キャンセルに備えた柔軟な予約ポリシーを重視する姿勢にすっかりシフトしました。実際、半数近くが国内旅行において返金不可の宿泊施設や移動手段は絶対に予約しないと回答しており、海外旅行においては、半数以上の人が返金不可の場合は予約しないと述べています。

 

 非常に多くの旅行会社が、こうした消費者動向の変化に適応しています。96% が返金可能なサービスまたは優待クーポンを提供しており、そのうちの大半 (77%) が、新型コロナウイルスの感染拡大により返金可能なサービスのいくつかを導入しました。柔軟なポリシーを提供する旅行サービス提供会社は、不安定な状況が続く中で旅行者に安心感を届けられる最適な存在と言えるでしょう。

 

旅行者は自分の価値観で判断

 旅行者が自分の価値観に沿った旅行業者を選択して予約する傾向が高まっています。事実、3 分の 2 以上 (70%) の旅行者が、費用が高くなってもよりインクルーシブな旅行オプションを選択する可能性が高いと回答しています。また、10 人中 8 人 (78%) の消費者が、共感できるメッセージや視覚的なコンテンツを使用したプロモーションや広告を見て、旅行を予約したことがあると回答しました。旅行業界は、この継続的な傾向に迅速に対応しています。5 社中 3 社 (60%) は、あらゆる人が利用できるよう昨年中にサービスを変更し、その他の 21% は今後変更する予定であると回答しています。

 

日本の消費者や業界関係者は、旅行にやや消極的だが、観光目的の旅行への重要性を評価

 日本の消費者は旅行体験を評価する要因のトップ3に「支払った金額に見合った体験(57%)」、「予約が守られていること(56%)」、「清潔さと安全(51%)」を挙げています。今後12カ月の間に旅行を計画している日本の消費者は全体の50%に過ぎないということが分かっている一方で、日本の消費者のほぼ3分の1に当たる31%の人々は、昇給よりも休暇日数の増加を重視しており、この傾向は日本で最も高く、45%の人々が昇給よりも休暇の充実を選択しています。中でも、日本の消費者は鉄道を使った旅行を最も多くしており、このことから、価格に見合ったユニークで一生に一度の体験を大切にしていることがうかがえます。安心安全かつ価格に見合った価値ある体験を提供し、サービスを顧客に確実に届けることで、旅行サービス提供会社は、日本の旅行者に効果的にアピールできるでしょう。

 

 癒しの時間を過ごし、世界とのつながりを取り戻す手段としてますます旅行を重視している人々は、目を見張るスピードで知識を増やしています。旅行会社が、柔軟でサステイナブルかつ価値に重きを置いた旅行オプションに対応し続けること、そして消費者にとってただ魅力的であるだけでなく、予約手続きから帰宅まで旅行のあらゆる段階でご満足いただけるサービスを提供することが、旅行業界には必要不可欠なのです。

 

エクスペディア・グループ  エクスペディア・フォー・ビジネス担当 シニアヴァイスプレジデント兼最高マーケティング責任者 シェリル・ミラー 氏(Cheryl Miller)

 

【シェリル・ミラー氏略歴】 

 シェリル・ミラーは、エクスぺディア・グループの B2Bマーケティング担当シニアヴァイスプレジデントとして、これまで20年以上にわたり活躍するベテラン。

 プロメテウス社で最高マーケティング責任者を務めた後、エクスペディア・グループに入社。

 同ポストに就く以前は、マイクロソフト社のワンコマーシャルパートナー事業部の統括責任者として、グローバル市場において自社の商品やサービスをどのように顧客へ届けるかの戦略に携わるGTM活動を指揮し、幅広いマーケティング施策を通じてパートナーの成功を促進。

 また、F5 ネットワークスのマーケティング担当副社長として、コーポレートマーケティングを担当し、F5 SynthesisおよびSoftware Defined Application Servicesの創設と立ち上げを主導した実績を有する。

 それ以前はシマンテック社に11年間在籍し、さまざまな製品チームに所属。ファーウェイ・シマンテック・ジョイント・ベンチャーのプログラムオフィスと出資部門にて4年間に亘り統括業務に携わった。

 シェリルは、バージニア・リナックス(VA Linux)社でオープンソースソフトウェアの製品マーケティングに携わり、また、技術者としてのキャリアはアロー・エレクトロニクス(Arrow Electronics)社で半導体を販売する流通業からスタートした経歴を持つ。

 プライベートでは、経営学の理学士号を取得。

 

 

 

 
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