環境省はこのほど、今年度(第6回)の「エコツーリズム大賞」の受賞団体を発表した。大賞には、過去に優秀賞を受賞したNPO法人黒潮実感センター(高知県大月町)が選ばれた。表彰式は9月25日、東京ビッグサイトで開いた「エコツーリズムフォーラム」で行われた。
全国から68件の応募があり、審査委員(委員長・下村彰男東大大学院教授)による審査で、7件の受賞が決まった。
同センターは県西南端の島、柏島全体を“博物館”ととらえ、(1)自然を実感する取り組み(2)自然を生かした暮らし作りの手伝い──などを活動の柱に、持続可能な里海づくりを目指している。
第2回大賞(06年度)で優秀賞を受賞したが、その後4年間の継続的な取り組みが評価され、大賞受賞となった。
同省によると、前回受賞時よりエコツアーも質・量的に向上し、実施地域も拡大。現在、年間ツアー催行回数は30回ほどで、参加者数は約800人と4年前と比べ倍増しているという。
具体的には、間伐で出た捨てられる枝葉をアオリイカの産卵床にし、海の中に人工の森を作っている。地元の子供たちが参加する環境教育として展開し、その活動は地元林業関係者、ダイバー、漁業者三位一体の取り組みにつながっている点などが評価された。
優秀賞にはエコツーを基盤とした旅行会社、リボーン(東京都新宿区)と宮津市エコツーリズム推進協議会(京都府宮津市)が受賞。
リボーンは国内外の農家や伝統食品の作り手と連携し、都市と農村漁村交流ツアーを実施。08年にはNPO法人エコツーリズム・ネットワーク・ジャパンを設立し、企業との連携によるエコツアーを催行している。
宮津市エコツー推進協は天橋立と中山間地域の資源をつなごうと08年に設立された。構成団体が独自に進める事業をベースに協議会がそれらをつなぎ、ガイドツアーとして体現している。
なお、特別賞の受賞団体は次の通り。
尾瀬認定ガイド協議会(群馬県前橋市)▽若狭三方五湖観光協会(福井県若狭町)▽NPO法人霧ヶ峰基金(長野県下諏訪町)▽NPO法人五ヶ瀬自然学校(宮崎県五ヶ瀬町)