観光ホテルにとって大きな悩みの一つである外壁の改修工事。建物の周囲に足場を組み、シートで覆うため、その旅館から見える景色が台無しになるケースもある。そんな悩みを解消しながら改修工事を行っているのが群馬県の草津温泉で最大級のホテル「ホテル櫻井」だ。リフト式の昇降足場を使用することで、外側を覆うシートを使用することなく、普段と全く変わりない状態で客室を客に提供している。
ホテル櫻井では、16階建ての高層棟である新客殿の改修工事の計画に当たり、当初は通常の足場を組み立て、段階的に改修する予定でいた。しかし「お客さまに景色も楽しんでいただきたいのに、シートで視界が遮られるのは忍びない」という櫻井綾夫社長の思いに対し、唐澤建築計画研究室の唐澤勉社長がリフト式の足場を使う新しい改修計画を提案した。
採用されたのはエスアールジータカミヤ(大阪市)の「リフトクライマー」。従来の仮設足場の常識を覆した革新的な移動昇降式足場で、昇降式のエレベーターのような作業ヤードに乗りながら、外壁工事を仕上げていく。法規的にも足場と同じ取り扱いで、建物全体に足場を組む必要がなく、建物を覆うシートも不要なことから景観も損ねない。
櫻井社長は、このリフトクライマーによる施工により、「通常なら、一部の部屋が使えなくなったり、訳あり部屋にしたりするが、普段通りに全客室を使用できた。何よりお客さまの居心地を第一に考えたが、お客さまからのクレームが全くなく、他のホテルからも見学に訪れるほど注目された」と語る。
問い合わせ先は、エスアールジータカミヤTEL06(6375)8813。
「リフトクライマー」を採用して外壁工事が行われているホテル櫻井