持続可能な観光へ課題
政府は、コロナ禍からの旅行需要の回復を受けて、オーバーツーリズムの対策を強化する。岸田文雄首相が重要課題との認識を示したことを受け、観光庁は6日、「オーバーツーリズムの未然防止・抑制に関する関係省庁対策会議」の初会合を開いた。関係省庁の局長級をメンバーとして対策を取りまとめ、具体的な施策を実施していく。
国内観光、インバウンドの急速な旅行需要の回復の一方で、一部の地域では、観光スポットや公共交通機関の過度な混雑や、観光客のマナー違反による地域住民の生活への影響が懸念されている。混雑などに伴う旅行者の満足度低下も危惧される。地域の社会、経済に好循環をもたらす持続可能な観光地域づくりの観点からも、対応が喫緊の課題となっている。
オーバーツーリズムについては、岸田首相が8月26日に沖縄県を訪問した際の記者会見で、「インバウンド客がさらに回復していくことが見込まれる中にあって、観光客が集中することによって生じる混乱だとか、マナー違反による混乱等、いわゆるオーバーツーリズムへの懸念について、政府として重要課題だと受け止め、この秋にも対策を取りまとめていきたい」との認識を示した。
会員向け記事です。