都市と農山漁村の交流活性化事業を進めるオーライニッポン会議は9日、東京都内で全国大会を開き、先進的な取り組みを行った団体を顕彰するオーライニッポン大賞の受賞団体を表彰した。グランプリを受賞したのは、岩手県久慈市のふるさと体験学習協会。森の一部を丸ごと学校に貸し出し、林業体験などを行うなど、オリジナリティあふれる活動を10年以上継続的に展開してきた点などを評価した。
冒頭あいさつした審査委員会長の安田喜憲・国際日本文化研究センター教授は、「非常に実力が伯仲しており、どの団体がグランプリを受賞してもおかしくなかった」と述べ、各団体の取り組みの充実を評価した。
グランプリを受賞したふるさと体験学習協会は、旧山形村の教育旅行受け入れ事業が前身。旧久慈村との合併を機に06年に協会化し、今年度までの6年間に約2万5千人を教育旅行で受け入れており、「行政と連携しながらも民間が中心となった取り組み態勢や、首都圏の消費者グループとの交流事業を行っている点など、他地域の参考になる点が多い」(オーライニッポン会議)。
このほかIターンなどで農山漁村に定住するなどして魅力的なライフスタイルを実現、都市農山漁村の交流拡大に寄与しているとして、農と食の文化発信を行う中村成子氏(島根県奥出雲町)と農家民泊をベースに交流事業に取り組む白松博之氏(山口県阿武町)には、オーライニッポンライフスタイル賞を贈った。
全国大会ではふるさと体験学習協会などが代表して取り組み事例の発表事例紹介を行ったほか、山形県の山伏で宿坊を営む星野文紘氏の基調講演や着地型旅行の事例紹介などを行った。
その他の受賞団体は以下の通り。
オーライニッポン大賞=【農山漁村イキイキ実践部門】塩谷町旧熊ノ木小学校管理組合(栃木県塩谷町)▽紀和町ふるさと公社(三重県熊野市)【学生・若者カツヤク部門】東京農業大学多摩川源流大学(東京都世田谷区)【都市のチカラ部門】いこま棚田クラブ(奈良県生駒市)
オーライニッポン大賞審査委員会長賞=【農山漁村イキイキ実践部門】砥山農業クラブ(北海道札幌市)▽しずおか体験教育旅行(静岡県静岡市)▽いなべ市農業公園(三重県いなべ市)▽いえしま(兵庫県姫路市)【学生・若者カツヤク部門】いなかインターンシップ(高知県高知市)【都市のチカラ部門】豊田・加茂 菜の花プロジェクト(愛知県豊田市)
オーライニッポン フレンドシップ大賞=【農山漁村イキイキ実践部門】かみえちご山里ファン倶楽部(新潟県上越市)▽信州せいしゅん村(長野県上田市)
各賞を受賞した団体