キヤノンは10月15~30日、映像体験イベント「ヨルZEN(禅)―自然と共生する日本―」を京都市東山区の臨済宗大本山 建仁寺で開催する。先進のイメージング技術を活用し、文化財の中で表現された自然や生き物に命を吹き込んだかのような動きある展示を演出。作品に込められたメッセージを映像で可視化し、日本文化の理解促進に貢献する。
ヨルZENは、「日本の美」を国内外へ発信して、次世代に伝え、未来の創生を目指す、文化庁が主導する「日本博」文化資源コンテンツ創成事業の採択を受けた、キヤノン主催の特別拝観イベント。イメージング技術と文化財を掛け合わせたもの。
同イベントでは、建仁寺法堂の天井画「双龍図」をAR(拡張現実)で視聴できるコンテンツを展示する。キヤノンの独自技術により、縦11・4×横15・7×天井高10・8メートルの双龍図の分割撮影を行い、18・4億画素の画像に合成。天井画にスマートフォンのカメラをかざすと、「仏法の守護者で、慈愛の雨を降らせる神」とされる龍のAR映像が動きだす。肉眼では見られない筆跡などをスマホ上で拡大して鑑賞することもできる。
建仁寺方丈庭園の枯山水「大雄苑(だいおうえん)」でのMR(複合現実)体験が可能なコンテンツも展示。キヤノンのMRシステムのヘッドマウントディスプレイ「MREAL S1」を用いて枯山水を見ると、現実空間に重ねられた3D CGが出現する。禅の世界観をモチーフにした、神秘的で臨場感のある映像体験ができる。
国宝「風神雷神図屏風」(高精細複製品)に合わせたプロジェクションマッピングも展開。プロジェクターを2台使用し、「風神が種を運び、雷神が雨を呼び、五穀豊穣がもたらされる」というストーリーを描いた迫力のある映像を投影する。
天井画「双龍図」のAR視聴