コニカミノルタジャパン(東京都港区)は7月18日、同社が展開する多言語通訳サービス「KOTOBAL(コトバル)」で、AIを活用し円滑で自然な会話を実現する新機能「リアルタイム通訳」の提供を開始した。訪日外国人観光客が増加しているホテルや旅館などの宿泊施設や、外国人住民の対応ニーズが増加している自治体の受付・窓口業務において、より豊かなおもてなしや顧客体験の提供を支援する。
「KOTOBAL」は、32言語に対応したAI通訳(機械通訳)とヒト通訳が選べるハイブリッド型の通訳サービス。通訳された言語は透明ディスプレイに表示させることができる。
今回同社が発表した「リアルタイム通訳」は、利用開始時に通訳したい言語を選択。話した言語はAIが自動判別して通訳し、透明ディスプレイの両面に表示させる。発話者が変わるたびに発生していた、言語の切り替え作業と画面の向きを変える動作が省力化され、タイムラグが大幅に減少。これまで受付スタッフが感じていた反転文字を読み解く負荷が解消されることで心理的負担が減り、訪日外国人にとっては対応スピードが速くなることで満足度が向上するという。
同社が新機能導入前に京王プレリアホテル札幌で実施した実証実験では、導入前と比較して外国人宿泊客との総会話量が約3倍増加し、外国人からの発話割合も約22%増加。先述の無駄な動作の省力化に加え、会話のスピードが向上したことによる対応の迅速化、対応時間の短縮化などが実現したという。
「今後もKOTOBALを通じて、外国人をはじめとしたお客さまとのコミュニケーションの課題を解決し、新たな価値創出を支援していく」(同社)。製品の詳細は、KOTOBAL製品サイト(https://kotobal.konicaminolta.jp/)で紹介している。
「リアルタイム同時通訳」の様子