宿泊施設の品質認証 2旅館を第1弾認定
観光庁の日本版DMOに登録している地域DMO、阿智昼神観光局(長野県阿智村)は、宿泊施設の品質認証制度「サクラクオリティ」を導入した。地域DMO、単独の温泉地としての導入は初めて。第1弾として、昼神温泉郷の旅館2施設が申請し、10日に認定を受けた。今後も申請を受け付け、調査、認定を行い、村内の宿泊施設の品質向上、ブランドの構築につなげたい考えだ。
サクラクオリティは、観光品質認証協会(東京都千代田区)が提供しているプログラム。2017年に観光圏整備法に基づく13の観光圏が活用を開始して以降、地域連携DMOなどで導入されている。DMOなど地域と一体で観光の質の向上に取り組む宿泊施設が認定の対象。これまでの認定施設は約200軒。
阿智昼神観光局では、品質認証制度に基づく「フェーズⅠ調査」として、安全面、衛生面などの基準約300項目について、観光品質認証協会の研修を受けたDMO職員が務める調査員と、宿泊施設の担当者が共同で確認調査を実施した。調査結果は有識者で構成される外部の委員会で審査され、認定が決まった。
サクラクオリティは、ホテル、旅館、小規模宿泊施設ごとに「1サクラ」から「5サクラ」までのマークで認定する。「サクラ」の数が多いほど多くの基準を満たしたことを意味している。昼神温泉郷で認定を受けた石苔亭いしだは「3サクラ」、昼神グランドホテル天心は「2.5サクラ」となった。認定の有効期間は2年。
「3.5サクラ」以上の認定には「フェーズⅡ調査」が必要。2.5サクラ以上の認定施設は、フェーズⅡ調査に進む資格があるが、フェーズⅡ調査では2千項目以上の基準について覆面調査員などによる調査を受ける。
昼神温泉郷では、登録申請を準備している旅館が他にも複数あるという。阿智昼神観光局では、旅行会社やOTAの評点、ネット上での口コミとは異なる客観的な調査に裏付けられた品質認証を推進することで、ブランディングや品質改善につなげ、滞在の魅力を向上させる方針だ。
認定証を掲げる旅館経営者ら(2月10日、阿智村で開かれた認定式)