日本観光振興協会、日本旅行業協会(JATA)、日本政府観光局(JNTO)は17日、ツーリズムの発展、拡大に貢献する持続可能で優れた取り組みを表彰する「第6回ジャパン・ツーリズム・アワード」の結果を発表した。応募件数は国内・訪日旅行147件、海外旅行31件の計178件。最優秀賞である国土交通大臣賞には、奄美イノベーション(鹿児島県奄美市)の取り組み「集落文化×『伝泊+まーぐん広場』が創る『日常の観光化』を国内外へ展開」を選出した。
国土交通大臣賞を受賞した奄美イノベーションはUNWTO(世界観光機関)倫理賞とともに受賞。提案は、空き家などを活用し、集落の中に宿泊するというキラーコンテンツに頼らない「集落文化の日常を観光化」して新しい旅の形を作るというもの。観光客誘致だけでなく、地域住民の雇用促進や観光客と地域住民が集う場を設けることで住民と観光の垣根をなくすなど、社会性の高さが評価された。
受賞した奄美イノベーションの山下保博代表は「2016年から伝統的工法で建てられた空き家を改修して宿泊施設とする伝泊をスタートした。奄美では小さな集落単位で文化、伝統を持っている。観光客が、集落の日常を住民と共に体験することをこれからの観光の中心にしたい」と話す。
「今年もインバウンド関連の取り組みが多いが、エコツーリズムなど社会性が高い取り組みや新型コロナウイルス感染症対応の取り組みなども目立った」と関係者。
このほか、観光庁長官賞、エクセレントパートナー賞、学生が選ぶジャパン・ツーリズム・アワード、DMO推進賞、メディア・プロモーション賞、UNWTO倫理賞、リスクマネジメント賞、デジタル活用賞、エンターテインメント活用賞、スタートアップ賞などの受賞者が発表された。