経済産業省がこのほど発表した岩盤浴やフェイシャルエステなどの「スパ・サービス産業」に関する調査で、ホテル・旅館や温浴施設などで提供されるスパ・サービスの07年度の市場規模は約7100億円と推計されることが分かった。昨年の調査で算出した06年度の市場規模は5600億円だったことから、市場が大きく拡大していることが明らかになった。(関連データ >>PDFを見る)
調査対象とした2886事業者のうち22.5%の650事業者から回答を得た。回答事業者の56.3%がスパ・サービスを展開していたことから、調査対象2886事業者の56.3%がスパ・サービスを行っているものと仮定し市場規模を算出した。店舗数は06年推計値の1673店舗から約2944店舗に増加。来客数も06年度の2599万8305人から、2687万6601人に拡大した。
年間来客者総数は、「フィットネス、スポーツ施設」(1255万7千人)が突出して多く、年間売上高を引き上げている。以下、「健康ランド、スーパー銭湯」(548万2千人)、「温泉・旅館」(438万3千人)が続く。
サービス提供施設の形態別平均客単価では「温泉・旅館施設」が1万2189円で、「エステサロン」など上位3施設同様1万2千円を超えた。
施設形態別の客単価と年間来客者総数などから算出した年間売上高は、「温泉・旅館施設」が534億円と最も高く、以下「フィットネス、スポーツ施設」が364億円、「健康ランド、スーパー銭湯」が342億円。
現在提供中のサービスで最も多かったのは「フェイシャルトリートメント」で60.7%、以下、「アロマテラピー」(54.9%)、「リフレクソロジー」(33.1%)、「その他の指圧」(27.0%)、「岩盤浴」(20.8%)だった。提供施設の形態別では、温泉・旅館施設の場合「その他の指圧」を提供する施設が40.3%と最も多く、以下「フェイシャルトリートメント」(34.3%)、「アロマテラピー」(29.9%)が続く。その他の宿泊施設では、リゾートホテルの場合、「フェイシャルトリートメント」(76.5%)、「アロマテラピー」(70.6%)の導入施設が多い。これに「リフレクソロジー」(43.1%)が続く。シティホテルの場合も最も多いのは「フェイシャルトリートメント」で54.5%の施設が導入。以下「アロマテラピー」(40.9%)、「岩盤浴」(31.8%)だった。
一方、今後の注力・新規導入意向の高いサービスメニューとしては、「ネイルスパ」が10.4%と最も高く、以下、「ヨガ」(9.3%)、「フェイシャルトリートメント」(9.0%)、「ストーン・セラピー」(8.7%)、「アーユルヴェーダ」(8.2%)。現在多くの施設が導入する「フェイシャルトリートメント」は、今後の注力・導入意向も高い。
「スパ・サービス産業の発展に向けた現状と課題に関する調査研究」は日本温泉協会や日本エステティック協会などの関連業界団体の加盟事業者を対象に行ったもので、昨年続き2回目。スパ・サービス産業の市場動向の把握や外国人スパ・セラピストの受け入れニーズの把握などを目的に、今年2月15日〜3月13日にウェブアンケート形式で実施した。