経営コンサルティング会社のタナベ経営は、旅館・ホテル業界、航空・鉄道・バス・タクシー業界、飲食サービス業界を対象とした「観光・ツーリスムビジネス成長戦略研究会」を立ち上げた。同社が観光分野の研究会を行うのは今回が初めて。
旅館・ホテル経営者など30人が参加して、22、23日の2日間、第1回研究会を横浜で開いた。来年1月までの期間に、2日間で1セットの研究会を全6回、北海道から沖縄まで全国で場所を変えながら開催する。
同社の中村敏之常務は基調講義で、同研究会のテーマとして(1)『変化と成長』と向き合い独自ポジションを確立する研究(2)『何をやるか、誰と組むか』といったパートナーモデルのあり方の研究(3)顧客創造へ向けた投資・回収モデルの研究—の三つを挙げた。
今回は、ホテルニューグランドの濱田賢治社長=写真=が「観光イベントをつうじたまちづくりの取り組み」を、東京MXテレビの城田信義国際部部長が「今後の観光産業の可能性〜新たな観光価値の創出〜」を、藤田観光の瀬川章社長が「藤田観光が推進するブランド力向上と新たな付加価値とは」をそれぞれ講義した。
1927年12月の開業以来、横浜の迎賓館として地域に根差し、87年間営業を続けているホテルニューグランドの濱田社長は同社の営業戦略について「古いものを大切に使い、修復しながら後世に伝えていくのが私たちの務め。インバウンド客は全体の10%未満に抑え、日本人のシニア・富裕層にターゲットを絞り、稼働率より単価アップを重視している」と語った。また、参加した旅館・ホテル経営者へのアドバイスとして「自分の得意分野に集中し、やらないことを決めた方が良い。あれもこれもと欲張らない方が良いと思う」などと話した。