国土交通省、観光庁は18日、関越道での高速ツアーバス事故を踏まえ、ツアーバスを運行、実施する貸切バス事業者、旅行会社を対象に実施した監査、立ち入り検査の結果を公表した。貸切バス事業者298社の83.8%に、旅行業者59社の47.4%に法令違反が見つかった。
道路運送法関係の法令違反を指摘した貸切バス事業者のうち、乗務時間の基準違反など重大な違反は48社に上った。旅行業法関係の法令違反を指摘した旅行会社では、取引条件説明書等の未交付・記載不足等が21社と最多だった。違反については詳しく調査し、行政処分を検討する。
ツアーバスの利用で 安全情報の発信強化
国交省は、夏の旅行シーズンを前に高速ツアーバスの安全対策に関して利用者への情報提供を強化している。国交省のホームページ(HP)に、安全への自主的な取り組み状況や国交省から受けた過去の監査状況が確認できる運行事業者リストなどを掲載している。
高速ツアーバスを運行する貸切バス事業者の情報では、過去の行政処分歴を検索できるサイトも紹介。利用者への情報提供として、高速ツアーバスを販売する旅行業者や販売サイトが示すべき安全情報の項目、また、バスの車内で表示すべき安全情報の項目なども掲載した。
国交省の安全性向上への取り組みも説明。夜間運行の距離が400キロを超える場合に交代運転者の乗務を義務付けたこと、貸切バス事業者と旅行業者の取り引き内容を明確化するため書面取引を義務化したことなどを説明している。