トイレ美化で観光客をおもてなし、群馬・栃木で取り組み


広告媒体として活用

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 観光客に安心で清潔なトイレを利用してもらう“トイレ認証制度”の取り組みが進んでいる。群馬県での取り組みを評価した日本トイレ協会は、トイレを広告媒体とした実証実験を伊香保温泉で実施。栃木県でも同様の取り組みを行っており観光施設などのトイレを「ハートフルトイレ」として認証している。

 群馬県渋川市の伊香保温泉で温泉地の公衆トイレのトイレットペーパーを広告媒体として活用する「観光地の公衆トイレキャンペーン」が行われた。同キャンペーンはスポンサー収入をトイレの維持管理費に充て、清潔に保てるかどうかを探る実証実験。国土交通省の委託事業の一環で公衆トイレの改善活動に取り組む組織「日本トイレ協会」による全国初の試み。

 同キャンペーンは温泉街の中腹地にある休憩施設「いっぷく館」など公共トイレ2カ所で行った。同協会や伊香保温泉旅館協同組合、トイレットペーパーの製造会社がスポンサーとなり、各社をアピールするキャッチコピーをトイレットペーパーに印刷。

 広告掲載期間は10日間で、そのうち2日間はトイレ利用者に向けてアンケート調査を実施した。「トイレの維持管理費を広告で補う実証実験について」「広告内容をどの程度見たのか」などの項目を利用者に質問した。

 アンケートの回答を男女277人から得た。結果は「トイレの維持管理費を広告で補う実証実験について」は、77%が「とてもよい」と答え、「大半の人の反応が良かった」と同協会。「広告内容をどの程度見たのか」に対しては「読んだ」が50・9%を占めた。

 同協会はこの実証実験をふまえ「旅館、企業、自治体の連携で取り組むトイレ美化運動を全国の温泉地に広げていきたい」と意気込みを語る。

 同協会のメンバーは日本ナショナルトラスト協会や研究者、企業などで構成。災害時トイレ対策、観光地のトイレ整備などに取り組む。

 群馬県は全国で初めて、清潔で安全なトイレを認証する「ぐんまビジタートイレ認証制度」を導入。公衆トイレを観光客に対し「おもてなし」の気持ちを込めて「ぐんまビジタートイレ」としてブランド化している。

栃木県の認証制度
 「観光客に快適なトイレ」を提案しようと、「とちぎハートフルトイレ」の認証制度を進めている栃木県はこのほど、第1弾として、観光施設など県内36カ所にあるトイレを選んだ。

 同県は観光客が誰でも利用可能なトイレを対象に認証トイレ候補の募集を行ったところ、31団体から138カ所の募集があった。

 県民のおもてなしの心、ホスピタリティを高める「ピカピカとちぎ大作戦」として、同認証制度を展開している。

 定期清掃や臭気対策などの「清潔さ」、明るさや落書きの有無などの「安全・安心」、バリアフリーや荷物置きスペースの確保などの「利便性」といった項目が審査基準。

 認証した主なトイレは日光市田母沢御用邸記念公園(日光市)や栃木県立日光自然博物館トイレ(同市)など。同記念公園管理事務所の大貫譲司さんは「敷地内にある駐車場と休憩所横のトイレ2カ所が認証された。清潔なトイレで観光客の皆さまをお迎えしたい」と話す。

 ハートフルトイレの認証期間は11年までの3年間。認証された施設には、認証プレート“写真”が県から交付され、一般のトイレと区別される。

 同認証制度は、第2弾の募集が今月末で終わり7月上旬には認証トイレを決定する予定。

 同県観光交流課は今後、認証トイレの位置を示した観光マップづくりを検討していく方針だ。

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