訪日外国人旅行者を視野に入れた、夜中でも飲食や娯楽を健全に楽しめるナイトタイムエコノミーへの関心が高まっているが、横浜国際平和会議場会社(パシフィコ横浜)はこのほど、促進に向けた実証実験を行った。参加者、店舗からは評価の声もあり、パシフィコ横浜はプラン化の推進を検討する意向だ。
実証実験「野毛横浜おもてなしナイト」は、国際会議をはじめとするMICE参加者向けユニークベニュー開発が目的。
横浜市中区役所などが協力し、横浜に古くからある昭和の面影が残る野毛地区を対象に6月下旬に実施。市内企業やMICE関係者ら約180人のほか、金券クーポン「野毛手形」を取り扱う40店舗が参加した。
参加者は飲み屋街や夜景を見ながらナイトライフを楽しむ一方、アンケート調査に協力。
調査結果によると、参加者からは「外国人に飲み歩きという日本文化を紹介しながら、おもてなし感を演出することができる」「ホテルと会議室の往復になりがちな国際会議の参加者に、飲み歩きをお勧めできる」「野毛地区を知るいい機会になった」との声があった。また、「平日に関わらずまとまった来客があり、売り上げにつながった」という店舗も。
一方で「手形の使い方(精算方法)が分かりにくかった」「小規模店舗のため、常連の客を大切にしながらの新規顧客の取り込みが難しく、共存させることに課題を感じた」という声もあった。
パシフィコ横浜は実証実験の結果を踏まえ、「プラン化を推進するとともに、国際会議をはじめとした多くのMICEに活用いただき、開催を通じて地域へ貢献したい」と話している。
実験の舞台となった野毛地区