
280項目以上の厳格な基準をクリア
ヘルシンキ市は4日、持続可能な観光の国際基準であるGSTC(グローバル・サステナブル・ツーリズム協議会)認証を取得したと発表した。人口50万人以上の都市としては世界初の快挙となる。
ヘルシンキの認証取得は、持続可能な観光地としての取り組みが国際的に高く評価されたことを示している。GSTC認証は、環境、文化、社会、経済の持続可能性、および持続可能なガバナンスという多角的な視点から、280項目以上にわたる厳格な基準を満たす必要がある。
ヘルシンキ観光局長のニーナ・ヴェステリネン氏は、「今回の認証取得は、ヘルシンキがすべての分野において極めて高いレベルで持続可能性を推進していることを示す重要な成果です」とコメントしている。
フィンランドは7年連続で「世界で最も幸福な国」に選ばれており、その首都であるヘルシンキは長年にわたり持続可能な都市開発の先駆者として知られている。「ヘルシンキ戦略2021」では、世界で最も持続可能な旅行目的地となることを目標に掲げており、今回の認証取得はその実現に向けた大きな一歩となった。
ヘルシンキの持続可能な観光への取り組みは、市全体で推進されている。多くのホテルが環境認証を取得しているほか、観光名所や会議・コンベンション施設、その他の観光関連事業者も積極的に持続可能な観光の実現に向けた投資を行っている。
この認証取得の背景には、EUによる環境に関する主張の規制強化がある。グリーンウォッシュ(実態が伴わないにもかかわらず、環境配慮を印象付けようとすること)を排除し、信頼性の高い検証済みの情報に基づく環境主張のみを認める方針が示されている。
ヴェステリネン氏は、「このような動きがあるからこそ、ヘルシンキは持続可能性に関する取り組みの信頼性を証明するために、あらゆる努力を続けています」と述べ、GSTC認証の重要性を強調している。