NPO法人日本ヘルスツーリズム振興機構はこのほど、「ヘルスツーリズム大賞」に豊富温泉(北海道豊富町)の「ミライトウジの取り組み」を選んだと発表した。表彰式は3月9日、東京・八重洲のTKP東京日本橋カンファレンスセンターで行う。
ヘルスツーリズム大賞はヘルスツーリズムに取り組む個人、事業者、団体などの優れた事例を表彰、紹介するもので、今回で10回目となる。選考基準は、科学的根拠に基づくプログラムに妥当性があり、ヘルスツーリズムの振興に寄与しているかなど。
同振興機構によると、豊富温泉は温泉水に石油成分を含む世界でも珍しい泉質。皮膚病に効くことからアトピー性皮膚炎に悩む人などが湯治客として訪れている。
町では湯治客のために(1)町営入浴施設に専用の浴槽を設置(2)健康相談員として保健師・看護師を常駐(3)低価格の宿泊施設を開設(4)湯治治療をしながら通学する小中高生のためにアトピー留学制度を開始―など斬新な施策を展開。
この結果、16年度のミライトウジの利用者は年間延べ6310人だった。入浴を含めた観光客数も12年度を底に回復。ミライトウジを始めた09年度は1対9だった湯治客と一般客の割合が現在は4対6までになっている。「湯治客の長期滞在による経済効果、移住者増、町民と湯治客の交流が生まれている」(推進機構)ことなどが高く評価された。
奨励賞は島根おおだ健康ビューロー(島根県大田市)の「4地区におけるヘルスツーリズムの取り組み」が受賞した。