「ゼロゼロ融資」後倒産が懸念
帝国データバンクによると、今年上半期(1~6月)のホテル・旅館経営業者の倒産(負債1千万円以上の法的整理)は38件、負債総額は133億3600万円だった。件数は前年同期(2021年1~6月)から4件、前期(同7~12月)から2件それぞれ増加。上半期では2年ぶりに前年同期比増加に転じた。政府系や民間金融機関の「ゼロゼロ融資」でコロナ下の倒産が抑制されたといわれる中、同融資後の倒産が全業種計で増加。ホテル・旅館の今後も懸念される。
ホテル・旅館の倒産は、感染が拡大した20年4月に21件と、単月では東日本大震災直後の11年5月以来の20件台となった。20年上半期は73件と、前年同期(32件)、前期(34件)の倍以上。11年上半期(80件)以来の高い水準となった。
20年年間も118件と、13年(101件)以来、7年ぶりの100件超えとなった。
金融機関による実質無利子・無担保の「ゼロゼロ融資」が開始され、ホテル・旅館の倒産件数は21年上半期に34件、同下半期に36件と、いずれも前年同期を下回った。
ただ、今年上半期は前年同期、前期の数字をいずれも上回った。
同社の調査では、「コロナ融資」(ゼロゼロ融資)を受けた後に倒産した企業が今年に入り急増。全業種計のコロナ融資後倒産が3月に40件と前月比倍増。4~6月も32件、43件、30件と高水準で推移している。
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