帝国データバンクによると、温泉旅館経営の庄内観光公社(山形県鶴岡市)は、10月21日に山形地裁鶴岡支部から特別清算開始命令を受けた。
同社は、1967年5月に設立。鶴岡市観光の市構想に基づき、鶴岡市と地元企業、観光協会などの出資で第三セクターとして設立した。
71年ごろには鶴岡市が撤退し、地元出身の実業家が支援する形で民営化。近年は湯野浜温泉で温泉旅館「ホテル満光園」を経営していた。
湯野浜海岸を望む高台に位置する全室オーシャンビューの景色や、いろり料理、餅付き朝食を特色とするほか、旅行雑誌やインターネット広告を積極的に活用して台湾などからのインバウンドツアーで集客し、2014年12月期には年収入高約2億8千万円を計上した。
しかし、その後はインバウンド需要も落ち着き、19年12月期の年収入高は1億8900万円に減少。
今年に入り新型コロナウイルス感染拡大に伴う営業自粛要請を受けて4月13日から休館していたが、先行きの見通しが立たないことから5月31日付で閉館し、8月31日開催の株主総会の決議により解散していた。
負債は約5千万円。
なお、今回の特別清算は、支援してきた関係会社に対する債務整理が目的で、対外的な影響は生じない。