ヤフー(宮坂学社長)と一休(森正文社長)は12月15日、都内で共同記者会見を開き、ヤフーが一休を約1千億円で買収すると発表した。株式公開買い付け(TOB)で同社の全株式を取得する。
一休の創業者である森社長は16年2月10日付で退任。後任の社長には、同社の榊淳副社長が就任する。同社会長にはヤフーの宮坂社長が就く。森社長は引退し、今後一切経営には関わらない。
宮坂社長は「一休の取得により、ヤフーであらゆる価格帯の宿泊予約が可能になる。特別な宿泊は一休.com、出張や日常の宿泊はヤフー!トラベルで予約できる」と語り、一休の完全子会社化により、最良の相互補完関係、シナジーが期待できることを強調した。一休ブランドについては、ヤフー!トラベルとは統合せず、そのまま残して運営する。ヤフー!トラベルは宿泊施設から手数料を徴収しないビジネスモデルだが、これも一休.comには適用せず、従来の一休のビジネスモデルは崩さない。
森社長は一休の株式の41.17%を所有する筆頭株主で現在53歳。日本生命を飛び出して一休を起業し、東証1部上場企業に育て上げた。今後の計画については「白紙だが、がんばる若い人を応援するような活動をしていきたい」と語った。