
本町駅の臨時カウンターで手荷物を一時預かりする様子(ヤマト運輸提供)
ヤマト運輸が関西エリアでの手ぶら観光を後押しする取り組みを進めている。インバウンド客が急増し、大阪・関西万博開幕などでさらなる観光客の集中が見込まれる中、手荷物の一時預かりや当日配送サービス、多言語対応の送り状発行サービスを開始。快適な観光環境の提供とオーバーツーリズム対策に寄与したい考えだ。
同社が関西エリアで展開する手ぶら観光施策は(1)宿泊、空港などでの手荷物の当日配送受付と手荷物の一時預かり(2)大型手荷物の一時預かりなどを行う観光特化型の店舗運営(3)宿泊施設などでの2次元コードと専用端末を使った荷物発送。
このうち(1)については、今年1月から阪急電鉄と連携して阪急ツーリストセンター大阪・梅田(大阪梅田駅)、阪急京都観光案内所(京都河原町駅)で、手荷物の当日配送受け付けを始めた。大阪市北区、西区、此花区、浪速区、中央区、京都市東山区、南区、中京区、下京区の宿泊施設に、通常の宅急便料金に500~千円の追加料金で配送する。
また大阪・関西万博の開幕に合わせ、13日から10月13日までOsakaMetro本町駅中央線改札内に専用カウンターを設け、手荷物の配送と一時預かりのサービスを提供する。
(3)については、利用者が事前にスマートフォンなどで作成した送り状の2次元コードを、宿泊施設などに設置した「簡易伝票発行ツール」で読み込むだけで、荷物の発送手続きが完了するもの。送り状作成専用サイトは4カ国語対応のため、外国人旅行者が簡単に伝票を作れる。送り状の手書き作業が不要となるため、宿泊施設の業務負担軽減や受付の混雑解消などにつながる。現在同社営業所だけでなく、宿泊施設73カ所で導入、利用されている。
8日に同社の取り組みを発表した松田弘士・常務執行役員関西統括は「京都―大阪間などを中心に手荷物を当日配送するニーズが非常に多い。なんば駅前営業所のような手荷物を一時預かりすする機器を備えた観光サービス特化型の店舗も人気だ。大阪・関西万博でも会場に店舗を2カ所設けた。拠点やネットワークをさらに強化して、お客さまに喜んでいただくのはもちろん、関西全体を盛り上げていければ」と意欲を語った。
本町駅の臨時カウンターで手荷物を一時預かりする様子(ヤマト運輸提供)