「郡上踊」など盆踊りも 22年の登録目指す
政府は11日、無形文化遺産保護条約関係省庁連絡会議を開き、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産候補として、各地に伝わる豊作祈願や厄払いなどの踊り「風流踊」の申請を正式に決めた。3月末までに提案書を提出、2022年の登録を目指す。
風流踊は衣装や持ち物に趣向を凝らして、歌や笛、太鼓、鉦(かね)などに合わせて踊る民族芸能。
世代を超え、地域全体で伝承されていることから、地域社会の核ともなる役割を果たしている。「長い伝統を背景に、特に災害の多い日本では、被災地域の復興の精神的な基盤ともなるなど、文化的な意味だけでなく、社会的な機能も有する」と文化庁。
風流踊は23都府県の37件で構成。この中には日本三大盆踊りに数えられる「西馬音内(にしもない)の盆踊」(秋田県羽後町)、「郡上踊」(岐阜県郡上市)、雨ごい祈願の踊りとして伝わる「綾子踊」(香川県まんのう町)などが含まれる。
郡上踊は、400年以上の歴史を持ち、毎年7月中旬から9月上旬にかけて、各町の寺社などの縁日おどりが城下町の各所を会場に繰り広げられる。
中でも、8月13日から16日の盂蘭盆(うらぼん)の徹夜おどりは、全国から多くの人が集まり、にぎわいが最高潮に達する。踊り屋台を囲む踊り子の輪は何重にも取り巻き、壮観を極める。芸能史上、価値が高く、地域的特色の顕著な盆踊りといわれる。
綾子踊は、もともと干ばつ時に行われるため不定期だったが、現在は隔年で8月下旬から9月上旬に加茂神社境内で行われる。
文化庁によると、ユネスコ無形文化遺産の登録件数が多い日本は、審査は実質2年に1回となっており、風流踊は22年秋に登録の可能性が決まる見通し。
盂蘭盆の徹夜おどりが有名な郡上踊。踊り子の輪が踊り屋台を囲む