
リクルートの大野雅矢氏
潜在層を含め旅行需要を拡大
リクルート旅行Division Vice Presidentの大野雅矢氏は、6月24日に東京都内で開いた「じゃらんフォーラム」で、2023年度の国内宿泊予約の流通取扱額が過去最高の約1兆2600億円になったと明らかにした。「じゃらんnet」では、旅行ニーズの潜在層、顕在層の双方へのアプローチを強化し、生成AIを活用したチャット相談、お得感の訴求、予約動線の短縮などを進める考えを示した。
国内宿泊予約流通取扱額の約1兆2600億円は、予約ベースの取扱額でキャンセル分、デイユース分を含む。19年度比では約45%増、22年度比では約9%増だった。
じゃらんnetの今後の取り組みについて、大野氏は「旅行者の予約行動の未来を見据え、予約体験をより簡単で便利に進化させていく。旅行ニーズが顕在化している人々だけではなくて、旅行に行こうかと決めかけている潜在性へのアプローチも強化を図っていく」と述べた。
旅行計画が明確でない潜在層へのアプローチでは、(1)生成AIを生かしたチャットで「旅行想起層」や「検討初期層」を取り込む(2)テーマ(#タグ)検索とじゃらんのコンテンツを活用して旅行検討層を囲い込む(3)上部タブ表示などによりじゃらん各メディアの回遊を促進する(検討中)。
旅行ニーズ顕在層へのアプローチは、(1)セルバナーの設置やクーポンページへの導線追加など、お得感の訴求強化に向けて検証を行う(2)予約完了までに遷移する必要があったページ数を短縮、シンプル化する(3)宿予約を起点に遊び体験、レンタカーなどの予約の利便性アップなど、「旅程」機能を向上させる(検証中)。
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