家族で過ごす休暇のあり方を検討するため、全国8地域の協力を得て実施する観光庁の「家族の時間づくり」実証事業のうち、ゴールデンウイーク(GW)を対象に取り組んだ三重県亀山市の実証結果がまとまった。亀山市の小中学校、幼稚園がGWの谷間の4月30日(金曜日)を休みとして7連休化したことについて、保護者の35.8%は肯定的な印象を持ち、23.8%は否定的な印象を持ったことが分かった。
亀山市は人口約5万人、世帯数は約2万戸。7連休の対象となったのは、小学校11校、中学校3校、幼稚園6園。児童生徒、園児の数は約4662人。連休後、アンケート調査を実施し、3523世帯が回答した。
学校が4月30日を休みにしたことへの感想は、「とてもよかった」が15.8%、「よかった」が20.0%、「どちらとも言えない」が38.3%、「あまりよくなかった」が11.0%、「よくなかった」が12.8%だった。
「とてもよかった」「よかった」の回答者に理由を複数選択式で聞くと、「家族で話す時間や機会が増えた」47.1%、「家族の思い出ができた」42.6%が上位だった。
学校が4月30日を休みにして困ったことを聞くと、「子どもが家にいるので、保護者も家にいないといけなくなった」21.0%、「子どもたちが時間を持て余し気味だった」13.3%だった。
7連休中の過ごし方では、宿泊を伴う国内旅行に出かけた割合は全体の9.7%。このうち、学校が4月30日を休みにしたことを理由として旅行に出かけたという回答は44.6%に上った。
7連休中に宿泊旅行はもとより日帰り旅行や帰省、レジャーなどに出かけず、家や買い物などで過ごした世帯(1136世帯)の理由としては、「保護者のいずれかが、4月30日は仕事だった」が49.5%と最多。続いて「保護者が30日以外のGWの日が仕事だった」が35.5%だった。
保護者の4月30日の勤務や休暇の状況では、「通常通り仕事をした」が45.8%と半数近くを占めた。もともと休業日だったなどの回答を除くと、「有給休暇を取得した」が7.2%、「勤務日を振り替えて休日にした」が6.2%、「学校の休みに合わせて、会社も休業になった」が1.5%だった。
観光庁の家族の時間づくり実証事業に協力する他の地域では、9月や10月に大型連休を創出する実験を予定。山口県山口市内の私立中学校で9月に8連休を設定する試み、京都市内の4小学校で10月に5連休または6連休を実施する試みなどがある。