陸中海岸魚彩王国実行委員会(会長・澤田克司宮古観光文化交流協会長)と三陸復興国立公園協会(会長・山本正徳宮古市長)は11月28日、東京都内のホテルで首都圏観光客誘致説明会を開いた。被災した沿岸地域への観光誘客を促進させるため、岩手県や青森県の20の自治体、観光関係者が旅行会社などにアピールした。
冒頭にあいさつした山本会長は、昨年、同公園と同じ地域が三陸ジオパークとして日本ジオパークに認定されたことに触れ、「さまざまな地質が学べるとともに震災を学ぶ場として選ばれた。復興はかなり進んでいるので、不自由なく来てもらい、十分なおもてなしができる」と述べ、商品造成への協力を訴えた。
「魚彩王国」は、JR東日本や大手旅行会社とタイアップして、1996年から始まった食と体験を取り入れたツアー。本格復興から2年目を迎え、新鮮な魚貝類を好きなだけ白米の上にのせて食べる「ぶっかけ祭り」を12月に開始、来年1月からの「いわて冬期キャンペーン」の中でも行うと澤田会長は述べた。
澤田会長は、三陸ジオパークについても、「地球の息吹が感じられる場所。三陸海岸の魅力を再認識してもらい、ジオツーリズム、エコツーリズムとして旅行商品化してほしい」と語った。
岩手県商工労働観光部観光課の菅原健司宣伝誘客担当課長は、同県の観光の現状について「一昨年の平泉の世界遺産登録、昨年の『あまちゃん』の効果で県の観光は震災前まで回復したが、沿岸部は8割の水準にとどまる。沿岸地域の誘客が課題」と述べ、「来年1〜3月と秋がJR東日本の重点販売地域になっている。宮古沿岸地域を含めて全県で観光客の受け入れを準備している」と強調した。
三陸復興国立公園協会会長の山本宮古市長があいさつした