下呂温泉(岐阜県下呂市)で1~4日、恒例の「下呂温泉まつり」が開かれ、期間中約6万人が訪れた。
3日には、温泉祭りを盛り上げる「温泉感謝祭」の参進行列が行われた。天与の恵みの温泉をはじめ、下呂温泉を「天下の三名泉」と称した室町時代の詩僧・万里集九と江戸時代初期の儒学者・林羅山を恩人として感謝するイベント。
「手古舞参進行列」は、JR下呂駅前をスタート。温泉寺までの約1キロを「万里集九」「林羅山」「烏天狗」「猿田彦」に扮装した下呂温泉の関係者が練り歩いた。温泉寺では献湯、献茶の儀、芸妓らによる下呂小唄の奉納などが行われた。
感謝祭の瀧多賀男実行委員長(水明館)は「高齢化社会になくてはならないものが温泉。諸先輩の努力に感謝し、地域が安心して暮らせる温泉街を目指し、諸問題を解決していく」と述べた。
また、温泉感謝祭の直会を温泉寺の醫王閣(いおうかく)で開き、約100人が出席した。醫王閣は水明館の先代が寄贈したもので、30センチを超す天然絞丸太や、90センチ角を超す天然杉に菊花文を掘り抜いた格天井などからなる。日本建築の粋を結集したもので、下呂の新たな観光資源として期待が高まっている。
下呂温泉まつりは、初日の龍神まつりに始まり、2日には油の華みこしパレードと下呂おどり、3日には飛騨川の河川敷で約1万3千発の花火と音楽が連動する「花火ミュージカル」が夜空を彩った。